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あの後、乱歩さんの「必要な情報は僕が凡て読み切ってやる」という頼もしすぎる言葉を受けて、国木田は指示を出した

乱歩さんはずっと取り乱して落ち込んでたけど、「しっかりしろ」と社長の声が聞こえたらしい

やれやれ、流石は社長だ



そして今、走行中の救急車の中にいる

賢治が壁を抜いて、社長と社員は病院の脱出に成功。潤一郎の異能でその光景を見えなくさせたのだ

そしてその潤一郎はというと、マフィア説得の為、一人だけ病院に残っている



本当は私が良かった。マフィアに探偵社がどう動いているか見せるには十分で足りるし、私が潤一郎の異能を複写(コピー)して……

私の方が死ぬ可能性が低いし、何なら(中也が大暴れしなければ)マフィア崩壊寸前までいける

でも、それは誰も云わなかった。理由は簡単。

マフィア側に死者が出るから。向こうが本気で殺しにかかってるなら、私が若し死ななくても、マフィアの誰かを殺してしまうことになるから。



結局、誰かを傷付けることでしか誰かを守れない。

でも、傷付けずに守る方法を模索することは、いけないことではないだろう





「ウイルスを作った異能者を捕まえる……!?」





驚く敦に乱歩さんが説明する



マフィアと正面から搗ち合うのを避けるには、ウイルスの異能者を殺すか、治が触れれば全員助かる

異能者は未だ近くに居る。毒には解毒剤が要るから。『共喰い』実行の時には必ず横浜に来る





『ドストエフスキーはウイルス異能者のことを "ある犯罪者" って呼んだ。表の逃亡経路は特務課が、裏はマフィアが押さえてるから、犯罪者なら今は横浜から出られない』





携帯を耳に当て乍ら云う

私が、この世界で特務課が把握している全異能者を暗記していることは、探偵社の誰にも云っていない

だから誰も不審に思わない。私がウイルス異能者のことを知らない理由を。乱歩さんはどうか判んないけど。



……否、知らないんじゃなくて、判らないんだ。知ってる筈なのに、靄がかかって……

多分、『神様』が抑止してるんだろうな。私を守る為に。





『んー、矢っ張り繋がんないな。相当忙しいみたい。国木田、軍警に連絡取って』


「ああ」





先刻から安吾や周ちゃんに電話かけてるんだけど、見事に誰も出ない

聖や遼には絶対かけないよ。あの子等は忙しくても絶対出るから。自分の仕事優先してってね



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夢蝶蘭(プロフ) - うさぎさん» うわー!その通りです…ご指摘ありがとうございます!いつも更新遅くてすみません(><) 頑張ります! (2019年2月9日 1時) (レス) id: 6710be5598 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - あの、「248話」の15行目が「早く食べないよってこと」になってますよ〜!多分「早く食べなよってこと」ですよね?もし私が間違っていたらすみません。続きのお話、楽しみにしています! (2019年2月8日 23時) (レス) id: fab1d5b1bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢蝶蘭 | 作成日時:2018年9月13日 23時

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