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『ゼウス』とは。
ギリシャ神話の最高神。全宇宙や天候を支配する天空神、雷神にして、神々の王、全知全能である
それはAが呼ばれていた名で、敵組織の誰かが云い出した。瞬く間に広まり、彼女は一躍有名となった
彼女は何でも知っている。当時は子供であったAに、誰もが恐れを成した
だがそれ以前に、特務課内でAはこう呼ばれていた
『アテナ』と。
知恵や戦略を司る知性の守護女神。「天空神ゼウス」と「知性の女神メティス」の娘。気高く理性的な戦いを好み、非常に思慮深い
彼女にはこの名の方が相応しいと云える。Aは全知ではないし、性格なども『アテナ』と似た処がある
だが、それは特務課内のみで留められた
本当の彼女を知っているのは、我々のみである、と。
前述の通り、Aは全知ではない。では何故「判る」のだろうか?
勿論、乱歩のように並外れた観察力、洞察力、推理力があるという訳ではない
Aの母は、娘に異能をかけた。『ゼウス』をAに宿らせたのだ
では、判らないことがあるのは何故か?
『ゼウス』はAを守る為に宿った。不要な情報は、意味が無い。不要だと『ゼウス』が判断したのだ
その情報を与えるとAが危険になるのなら、それは不要となる。他にも、Aが悲しく感じる情報等は与えられない
だがAは頭が良い。乱歩や太宰に及ばないまでも、頭の回転が速く記憶力も良い
『ゼウス』と力で「判る」のではなく、Aが自ら考えて答えを出そうとする場合___
『ゼウス』により、強制終了される。
*
『賢治出動!』
「判りましたー!」
「何処に??」
人も疎らになった探偵社で、腹を空かせた賢治にAが云った
Aの云い付けで夕食を抜いていたのだ。『何でか判んないけど賢治、ご飯抜きね』「判りました!」「賢治君、文句云おうね?」
これは賢治の異能発動条件の為であるが、今になってそうする意味が判った
『社長が襲われた。回収に行こう』
外に出たAの言葉を聞いて、賢治は彼女の前に屈む
乗ってください!と。
「走ります。案内してください!」
Aは微笑んで、賢治の背に乗る。走り出した
未だ十四の子供に成人女性が負ぶられる。如何な絵面だろうか
これから起こることはAには判らない
今判っていることは、福沢が危険だということだけだ___
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夢蝶蘭(プロフ) - うさぎさん» うわー!その通りです…ご指摘ありがとうございます!いつも更新遅くてすみません(><) 頑張ります! (2019年2月9日 1時) (レス) id: 6710be5598 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - あの、「248話」の15行目が「早く食べないよってこと」になってますよ〜!多分「早く食べなよってこと」ですよね?もし私が間違っていたらすみません。続きのお話、楽しみにしています! (2019年2月8日 23時) (レス) id: fab1d5b1bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢蝶蘭 | 作成日時:2018年9月13日 23時