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じゃあそろそろ行くね、と立ち上がった
勝手に連れ出しておいて聖には悪いけれど、やりたいことがあるのだ。"彼" が目醒める前に。
その前に周ちゃんに怒られに行ってお礼云わないと。やだなぁ、大事に想ってくれてるからこそ、怒ると怖いんだよなぁ
『周ちゃんに何時間くらい怒られた?』
「分で済みましたよ。遼の方が非道かったです」
『ああ…ご愁傷様です』
私達はそれぞれ、三人の人物に怒られることになった。種田長官と周ちゃんと遼だ
私の場合、遼にはあまり怒られずに済んだ。多分、聖を叩くだけ叩いたから気疲れしたのだろう
種田長官はネチネチ怒る。これは噂だけれど、私と部下達とで怒られる時間が違うらしい。皆は私の倍長いんだって。そんなに怒る暇あったら仕事してほしい
そして周ちゃん。昔は最大で三時間搾られたことがある。前述の通り、あの人は本当に怖い。
「頑張ってください」
『ありがとう…また来るからね』
「はい、待ってます」
最後にそんな会話をして、遼に連絡して中に入れてもらった
聖は少しだけ休んでから戻るらしい。長官に休暇を出すよう云っておこう
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「お前、莫迦なのか賢いのかはっきりしろ」
『すみません…』
私の勘が、周ちゃんの居場所は仮眠室だと教えてくれたので、扉を開けると彼は寝起き不機嫌だった
何で私の勘は、今は駄目だ、とか教えてくれないのだろうか。非道い。非道すぎる。
そうして不機嫌な周ちゃんにこってり怒られているのだが、もう直ぐ一時間経つ気がする…仕事は良いのかな周ちゃん。
そんなことを思っていると、周ちゃんは盛大な溜め息を吐き出した
そして呟く。まぁ兎に角無事で良かった、と。
「疲れたから一方的な説教は終わりっ」
『隣、坐っていい?』
「どーぞ」
別に指示された訳じゃないけど、無意識にしていた正座をゆっくり崩して
隣を見ると先程とは一転、周ちゃんは優しい笑みを私に向けた
「却説、神楽坂を撒いて自ら敵さんに逢いに行った理由を、事細かに説明してもらおうか」
あっ前言撤回。これ優しい笑みじゃないな。
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夢蝶蘭(プロフ) - 知佳さん» わざわざありがとうございます!是非使わせていただこうと思います! (2020年5月18日 23時) (レス) id: 6710be5598 (このIDを非表示/違反報告)
知佳(プロフ) - 横浜の街のタワーは、展望台になりますが、マリンタワーというのがありますよ♪ (2020年4月4日 0時) (レス) id: 3e74e0ac2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢蝶蘭 | 作成日時:2018年4月2日 23時