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異能を遣って
血に塗れた彼女の腕を洗い、手拭は持っていないので自分の服で拭き取った
何があった?Aさんは奴に危害を加えないと思っていた。だって、奴の異能は記憶の改竄だ。二人が言葉を交わしたなら、奴はAさんを思い通りに操れた筈なんだ
それを良しとして、Aさんは奴に逢いに行った訳じゃない。多分…
なのに奴は瀕死状態だった。Aさんが瀕死状態に、した
…やめろ、考えるな。昔みたいに混乱しとけよ
それに、今考えたって仕方ない。戻ったら会議だ。Aさんを
昔もそうだった。先輩が云い出したらしい。Aさんが倒れていたことだけを、伝える。敵が倒れていたことは云わない
何か隠してることは直ぐバレるだろう、だから彼女が納得するような話を捏ち上げる
でもAさんは、俺達の隠し事に気付かなかった。何故か判らなかったけど…気付く様子はなかった
今回も同じようになるとは限らない。だけどAさんは…気付かない気がする
背後に居る太宰さんに云う
「Aさんが探偵社に戻っても…今回のことは、云わないでください。誰にも」
頭の良いこの人なら判るだろう。Aさんを思ってのことなんだって。
素直に頷いてくれるものだと思っていたから、注射を打ち終わった後に云われた彼の言葉に驚いた
「それは、Aの為になるのかい?」
心臓が厭な音を立てた。彼は続けて云う
「慥かにAを思ってのことかもしれない。だが彼女の為にはならないだろう」
一時的に向き合わせないのは一手だけれど…君達はそれを "一生" にする心算だろう?と。
心臓が厭な音を立て続けた。優しさでも…隠し続けていたことが、彼女を傷付けることになるかもしれない
その時、前方から声がした
「坂口さん…」
「僕が運転します。神楽坂君、彼女を車へ。太宰君も乗ってください」
坂口さんは護衛の二人を乗せた車で来ていた。先輩…呼んでくれたのか。
思考を一旦停止させて彼女を抱える。護衛の男性が先輩の車の後部座席を開けてくれたので、例を云って乗り込んだ
太宰さんが助手席で…坂口さんの車を運転して護衛二人が着いて来る形になった
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夢蝶蘭(プロフ) - 知佳さん» わざわざありがとうございます!是非使わせていただこうと思います! (2020年5月18日 23時) (レス) id: 6710be5598 (このIDを非表示/違反報告)
知佳(プロフ) - 横浜の街のタワーは、展望台になりますが、マリンタワーというのがありますよ♪ (2020年4月4日 0時) (レス) id: 3e74e0ac2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢蝶蘭 | 作成日時:2018年4月2日 23時