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Aは睡魔に耐えられなくなり、首を下に向けて眠った
その姿を見てボーヴは思い出す。つい先刻視た、彼女の記憶を。
『救いたいの。助けてって云われたから、救いたくなっちゃったの』
そんなこと、自分は云ってない。けど、ずっと思っていた。Aに願っていた。六年前、"ゼウス" を知った時から。
本当に、彼女は何でも知っている。だから恐らく、種田山頭火に宣言したように、
ボーヴは苦笑し、窓を開けて
一つ解らないことがあるんだよな。ボーヴはそう思って、探偵がよくするように顎に手を当てる
彼女は記憶力が異常に良い。お陰で彼女の殆どを知れた
でも一部、記憶が抜け落ちている箇所があった。その前には必ず、彼女は危機に陥っていた…
小首を傾げ乍らAに背を向ける。特務課が来る前に連れ去る準備をしなければ。
ボーヴが足を一歩踏み出した、その時。
喉から何か、熱いものが迫り上がって来た。ボーヴは堪らず吐き出す。
それは鮮血だった。彼の口内は鉄の味で広がった
何故、如何して。病気なんて持っていない。自分が健康すぎて厭になったことさえある
視線だけを下に向ける。腹部に違和感を覚えていたからだ
視認した瞬間、ボーヴは凡てを理解した。自分が吐血した理由。腹部の違和感の正体。Aの記憶欠如の理由までも、凡て。
それ等はたった一つの理由で片付いたのだ
ボーヴの腹からは
それは紛れも無く、先刻まで言葉を交わしていたAの手だった
冷や汗が伝った時、勢い良く手が引き抜かれた。反動でボーヴが倒れる
横目でAを確認した。月光で見えるAの目は血のように赤く…どこまでも冷たかった
Aはその目を閉じ、膝から崩れ落ちた。それを見てボーヴは理解する
そうか、僕が彼女を連れ去ろうとしたから…動けないようにして、彼女を
「はは…優秀だな」
頑張れ、僕。殺されてたまるか。
彼女は僕を救いたいと云ってくれたんだ。彼女が知らない内に僕を…殺させるな。
僕は初めて、
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夢蝶蘭(プロフ) - 知佳さん» わざわざありがとうございます！是非使わせていただこうと思います！ (2020年5月18日 23時) (
レス) id: 6710be5598 (このIDを非表示/違反報告)
知佳(プロフ) - 横浜の街のタワーは、展望台になりますが、マリンタワーというのがありますよ♪ (2020年4月4日 0時) (レス) id: 3e74e0ac2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢蝶蘭 | 作成日時：2018年4月2日 23時
