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「彼は如何したんだい?」





その太宰の質問に、俺は答えを渋らせていた

否、前職はマフィアだからとか、聖の恋敵だからとか、そんな理由じゃないんだ

ただ、この…何でも判ってそうな顔が気に食わないんだよなぁ…



俺の返答を聞かず、太宰は俺を見て笑い、急に人差し指を立てて云い出した





「君が思ったことを(あて)てみせよう。"この顔が気に食わないんだよなぁ"」


「すげぇ大中り」





マジか。声には出してなかったろ。無効化以外にも力持ってるんじゃないか?

まぁそんなことはないので、また大きな溜め息を吐いて横になっている聖に目を向けた





「…此奴の異能は水を操るんですけど、水蒸気を利用して雲の視界を借りることが出来るんです。だから人探しなんかは打って付け」


「へぇ!便利な異能だね」


「確かに便利ですけど、勿論タダじゃない。視界を借りれるのは三分。それ以上経てば視力が低下します。しかも標的(ターゲット)が見つかるまでその状態」


「だからあんなに焦っていた訳だ。真っ先に私の処に来たのはAが云ったからかい?」


「はい。唯一止められる(・・・・・・・)自分が動けないから、俺を保険としたんでしょうね」


「唯一?」





太宰がそう聞き返した時、聖の指が僅かに動いた。そして瞼を勢い良く上げた

声を掛けると驚いたように俺を見た。次に太宰に目を向ける。最後にゆっくり自分の胸に手を当て、一言。





「……吃驚したぁ」


「こっちの台詞だ莫迦!!」





つい突っ込んでしまった。え?此奴…マジか。喧嘩売ってんのか?買うぞ?でも殴り合いはやめてほしいな、体術全く出来ないから…じゃなくて!





「お前、自分が何したか解ってんのか!冷静になれよ!もっと他の方法あっただろ!?」


「あ……?え?」





あーそうだ!今の此奴は云わば寝起き状態だ!説教は後だな!

頭を乱雑に掻く。俺が冷静になれ、考えろ。Aさんが他に頼る人物は誰だ?多分、その人が今回の件の構成員(・・・・・・・・)



インカムを取り出して耳に当てる。番号を押して呼び出すと、その人は直ぐに応答した。矢っ張りアンタだったか。





「すみません、聖を捕まえたので報告です」


《よくやった!もう直ぐ着くから車に乗れ!》


「諒解」





ああ…この人だけは俺の味方だ。今とても心が温かい

遠藤先輩、ずっと着いて行きます




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夢蝶蘭(プロフ) - 知佳さん» わざわざありがとうございます!是非使わせていただこうと思います! (2020年5月18日 23時) (レス) id: 6710be5598 (このIDを非表示/違反報告)
知佳(プロフ) - 横浜の街のタワーは、展望台になりますが、マリンタワーというのがありますよ♪ (2020年4月4日 0時) (レス) id: 3e74e0ac2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢蝶蘭 | 作成日時:2018年4月2日 23時

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