158 ページ26
.
僕等は親友になっていた
隣で彼が急に親しく話し掛けてきて、でも僕は不思議と混乱しなかった
頭の中に自然に流れ込んでくるように、理解できた。これが僕の異能なんだ、と。
あの日、僕は様々な過程を飛ばしに飛ばして、唯一無二の親友を手に入れた
気付いたら異能は制御出来るようになってた。記憶の流入を止められたし、視たくないと思えば記憶は頭に入ってこなかった
だから学校に行くことも出来た。皆、僕と彼が親友であることに違和感を感じていなかった
楽しかった。世界がガラッと変わった。ずっと此の侭が良いって思った
でも。
高校を卒業して少し経った或る日、彼は通り魔に襲われ亡くなった
僕は元来、引っ込み思案の臆病者だからね。それからは引き篭って、異能も遣うことはなかった
本当に…何時からだろう。自分でも全く判らないんだけどね
気付いたら、人の記憶を無差別に操って…そういう悪事を、働いていた
何とも思わなかったんだ。そんな自分が、恐くなった。それを自覚している時点で未だ遣り直せるとか、そういうことじゃないんだ
僕はもう…
「そんな時に君を知った。遠い異国に居る "ゼウス" 。会いたくて会いたくて、必死に異国語を勉強したんだ」
『そんなに想ってくれていたなんて嬉しいなぁ』
その時、私は彼の話を聴き始めてやっと口を開いた。唇が乾燥していた
"ゼウス" と云うのは私の昔の渾名だ。特務課内では "アテネ" なんて呼ばれてた
まぁ、この話はまた別の機会にしよう
「君は辛い思いを…してきたんだね」
彼は悲しい顔をしてそう云った
…ふむ。昔噺をしている間に私の記憶を凡て視たのか。器用だなぁ、この人。
私はゆっくりと首を振る
『私なんかより、辛い思いをしてきた人は沢山居る』
「辛さの度合いなんて関係ないよ。本人が思うか如何かだ」
『………』
そうかも、しれないね
「…ねぇ、如何して来たんだい？君はこの場所に、催眠
彼の声が遠くに聞こえる。そう、瓦斯が充満している。私はそれを判って此処に来た
彼は
「＿＿、＿＿＿＿」
何か、云っている
嗚呼＿＿＿救けなきゃ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 232人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢蝶蘭(プロフ) - 知佳さん» わざわざありがとうございます！是非使わせていただこうと思います！ (2020年5月18日 23時) (
レス) id: 6710be5598 (このIDを非表示/違反報告)
知佳(プロフ) - 横浜の街のタワーは、展望台になりますが、マリンタワーというのがありますよ♪ (2020年4月4日 0時) (レス) id: 3e74e0ac2c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢蝶蘭 | 作成日時：2018年4月2日 23時
