148 ページ16
.
逢魔時。
聖と共に社員寮に行き、該当する資料を先生に連絡した
案の定、直ぐに判った。何故先生が探偵社に来た時、勘が働かなかったのかは未だに…否、私が関係してたからだ。私が関係してることを、私の勘は判ってたんだ
逢魔時。
空を見上げる。厭な予感しか、しなかった
*
本拠地に来る前に寄った探偵社で、それはお前の事件だ、と乱歩さんは云った
お前が解決しなきゃいけないんだ、と。
そして私の目を見た
「三日待つ。戻って来れるな？」
涙腺が弛みそうになった顔に力を入れ返事をした私の頭に手を置いて、乱歩さんは笑ったんだ
「帰ったら先ず僕の所へ来い。いっぱい甘やかしてやる！」
もう、乱歩さんは本当に…何っで昔からあんなに優しいかなぁ？だから私が甘えてばっかになっちゃうんだよあの人本当に判ってる？
『はぁ…』
「何で嬉しそうに溜め息吐いてるんですか」
『余計なもの見ないで宜しい』
隣を歩いている聖に突っ込まれた。乱歩さんが優しくて嬉しかったんだよ。矢っ張り頼って良かったなって。
仕返し的なものとして脇腹を突くと然して痛くもなさように「痛いです」と云った
現在、それはもう滅茶苦茶な方法で本拠地を脱出した私と、今回の相棒である聖は横浜内をブラブラと散歩すること三時間。
違う違う、前言撤回。見廻りをしています。断じて否定する。散歩ではありません
『さ、ドーナツ屋に行こーう』
「えっ仕事は？」
『お店から外を見ていても見廻りになる』
「廻ってない…」
何か文句を云おうとするも、聖は諦めたように溜め息を吐き携帯でお店を調べ始めた。本当に私に甘いなぁ
よく考えればお昼食べてないんだよね。爆弾の時はお昼をとっくに回ってたし、その足で本拠地に行ったから…
…うん…今日一日、忙しかったなぁ…
今日を振り返って遠い目をしていると、聖が携帯を弄り乍ら訊いてきた
「実はもう判ってます？」
『何が？』
「ボーヴの居場所」
そう、私は取り敢えずエマニュエル・ボーヴを見付けようと聖に提案したのだ。だから散歩に見えるがこれは仕事。
そっか…聖から見れば、奴の居場所を判ってるのに実行しない私は最低野郎か
え？被害妄想激しい？気にしないで。
『教えてくれないの』
「…よく判らない勘ですよね」
『肝心な処で役立たずだから逆に殺意が湧いてくるよ』
「やめてあげてください」
…嘘吐いて、御免ね
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 232人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢蝶蘭(プロフ) - 知佳さん» わざわざありがとうございます！是非使わせていただこうと思います！ (2020年5月18日 23時) (
レス) id: 6710be5598 (このIDを非表示/違反報告)
知佳(プロフ) - 横浜の街のタワーは、展望台になりますが、マリンタワーというのがありますよ♪ (2020年4月4日 0時) (レス) id: 3e74e0ac2c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢蝶蘭 | 作成日時：2018年4月2日 23時
