揺れるウネとキュミン (ページ39)

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39＊ついた嘘ページ39

ーEHー

ソンミンヒョンに電話したけれど、何コール鳴っても出ることはなくて。

なんだかもう皆から見捨てられたような気がして涙が止まらない。

僕はなんて勝手なんだろう。

ドンへに放っておいてと言ったのは他でもない僕自身なのに。

ソンミンヒョンに何も言わずドンへに会いに行ったのは僕なのに。

本当に何をやってるんだろう。

すると、突然背中にぬくもりを感じて。

見なくてもわかるなんて、僕は凄いんじゃないかな。ねえ、ドンへ？

『ヒョク、何も言わずに俺の話聞いて？』

静かに話し出すドンへの言葉。

ドンへ…それは、ヤキモチって捉えていいの？
僕の1番がドンへじゃないなんてありえないよ。

それから。ドンへだけだよ、あそこまで言ってもわからないのは。

ードンへが好きだから、でも、ドンへは僕の気持ちに応えてくれないかもしれない。それが怖くてソンミンヒョンに相談してた。

今すぐ振り返って、ドンへに伝えたい衝動にかられたけど…。

だけど、最後のドンへの言葉が、僕の動きを封じた。

ソンミンヒョン……。
僕は淋しさからヒョンに逃げた。

こんな僕を受け止めてくれたヒョンを、見惚れるほどキレイな笑顔を向けてくれたヒョンを、僕は裏切れない。

ううん、裏切っちゃいけない…

僕は、ようやく自分の犯した間違いに気付いた。

だけど、もう遅い。

僕はソンミンヒョンと歩んでいく。

ドンへもそれを願ってるから。

だから僕はドンへへの気持ちに蓋をして、決して表に出してはいけない。

ヒョンだけを見て、ヒョンだけを感じて…

ドンへの方を向かされて、真っ直ぐ見つめてくるドンへに、僕はひとつ嘘をつく。

『ぅん。幸せだよ。ヒョンに愛されて、僕は幸せ。
ねえ、ドンへ、また今までみたいに仲良くしてくれる？ソンミンヒョンとは違うけど、ドンへの存在も僕にとって特別だから』

涙を拭って微笑むと、ドンへもまたふにゃっとしたいつもの笑顔を向けてくれた。