揺れるウネとキュミン (ページ36)

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36＊伝えたい言葉ページ36

ーKHー

お風呂に入ろうと浴室のドアを開けると、ソンミンヒョンが驚いた顏でこっちを見ていた。

それも、泣きたいのに泣けずにいるなんとも苦しそうな表情で、見てる僕が泣きたくなるような顏。

溢れ出るヒョンへの感情を沈ませながら、出ようとするヒョンの頬を捕らえ、撫でていた。

だめだ。やめるんだ。手を出しちゃいけない。

大事だからこそ、僕は何もしちゃいけない。

なのに、ヒョンが僕の頬に触れるから。ヒョンの可愛い唇にキスをした。

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ヒョンが静かに浴室を出て行った。だけど、僕は何も言えず、追いかけることさえも出来なかった。

何で…？そんなの決まってる。

ヒョンが僕を受け止めてくれなかったから…

いや、違う。僕じゃヒョンを支えられないから。

不甲斐ない自分に、足が動かなかった。それでも何でだろう。

ヒョンが愛しいと思う気持ちは消えることなく僕の胸を支配する。

しばらくしてからお風呂を出て、リビングにいくと、ソファに横になっているヒョンがいて。

『ヒョン…？』

そっと声をかけるけど反応がなかった。寝てるの？

さっきまで僕の名前を切なく呼んで、僕のキスを受け入れてくれてた愛しいヒョンの唇に手を伸ばす。

『ヒョン、いいんですよ。僕の気持ちに答えなくて。僕が勝手にヒョンを好きになっただけなんですから。
こうして笑えるのも、毒吐けるのも、全部ヒョンが僕に居場所をくれたからなんですよ。
あの頃の僕は、馴染めるかも上手くやっていけるかもわからなかった。
だけど、ヒョンは僕のそばで笑いかけてくれた。いつもそばで支えてくれた。それが、どんなに嬉しかったか。どんなにありがたかったか…
それから、僕が事故にあった時も、誰よりも病室に顔を出してくれて、泣きながら無事でよかったと言ってくれて、本当に…っ』

思わず涙が溢れ、僕の頬を伝う涙。震える声。

だけど、どうしても伝えたいから、深く深呼吸をし、話を続けた。

『ヒョンがいたから、今の僕がいるんです。ヒョンがいるSUPER JUNIORに入れて、僕は幸せです。
ヒョンが僕を好きにならなくてもいい。ただ、変わらずそばで笑っていて欲しいんです。ヒョン…さらんはんだ』

そう告げてリビングを出た。

ヒョン…ヒョン…。

ベッドにうつ伏せて顔を枕に押し当て泣いた。

浮かぶのは困ったように笑うヒョン、可愛い声で僕を呼ぶヒョン…

いろんなヒョンの姿が浮かんでは消えて行った。