脱メンヘラとか無理だってば。【HQ】

にじゅういち。忍従…一応している(いない) ページ22

はい、怒りん坊たちにこってり絞られました。村上Aです。現在は最終日、決勝戦。つとむんの前髪が今日もサラッサラしてる。


対戦相手は青葉城西……いつものとこかぁと思った私は悪くない。過去のビデオを見返しても決勝戦は大抵こことやってるのよ。1年生ながらに見飽きたくらいだわ。追加情報といえば飛雄のところが負けたチームってくらいか。


いつも牛島先輩につっかかってくる淡水魚(オイカワ)とかいうクソチャラ陽キャのセットアップがいい味してるんだこれ。牛島先輩がしょっちゅう勧誘するのもわからないでもない。来たところで白鳥沢のセッターは白布だけどな！！！


｢牛島さん！｣


｢！！｣


｢……なんてな｣


白布がセットアップの姿勢から綺麗にツーを決める。は？かっこよすぎか？？？絶対牛島先輩に上がると思ったもん、指先から目線まで完璧な姿勢だったもん。好きぴが尊い。最高。ついでに相手の驚きと悔しさの混ざった表情も最高。


｢はー…ァ？！？？｣


尊みを噛み締めていたら、牛島先輩にひっ叩かれたバリボーさんが大きな衝突音を立てて飛び跳ね、そのままこっちに向かってきた。待って、待て、待たれよ、顔面とコンニチハは嫌だ。


｢ホァッチョ？！！？！｣


めちゃくそ痛いよ！！！腕からプチって聞こえた気がするから多分傷口開いたよ！！！！！


ところでボールと腕のボーイミーツガール時の音と同時に私のクソデカボイスが体育館内にこだました気がするんだ、気がするというか確実にこだましたんだ。知ってるか、これ県のローカルテレビで流されるんだぜ……嘘だろ(絶望)


とりあえず私の何とも形容しがたい奇声(受け身のときの声)で吹いた白鳥沢と青葉城西の選手たちは各3発ほどビンタしていいですかね。


ブロックが甘いから横に飛んでくるんだよブワァーカ！！手はバンザイじゃなくて前にだよ肝に銘じとけらっきょヘッド！！！聞こえてねぇだろうけどなぁ！！！！


｢大丈夫ﾌｽか村上…ﾌｯ｣


｢うっす…｣


監督まで笑いこらえてるのは辛すぎでは？





終了のホイッスルが鳴った。


バレーの試合自体はもちろん勝った。優勝しましたねおめでとうございます。でも私は試合に勝って勝負に負けた気分ってやつなんだよ。恥ずかしくてさっき開いた傷口抉りそう。未だに数名笑ってるし。


｢ホアッチョ……フフッ｣


｢よーしアカウニと真顔野郎と青城の淡水魚ちょっとそこに直れ｣


｢待って俺たち先輩｣


｢俺他校！！｣

にじゅうに。二丁拳銃。→←にじゅう。二重作れる人って器用だよね。

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