脱メンヘラとか無理だってば。【HQ】

じゅうご。集合しないでくだしぁ。 ページ16

｢｢｢アっしたー！！！｣｣｣


｢っし自主練だァ！！！！！｣


｢つとむん元気すぎか｣


今日の練習も恙無く終わり、ヘロヘロの1年生(どうきゅうせい)と一緒にだいたいの片付けを済ませ、コーチと監督とメニューの状態を確認する。


私はもちろん元気ピンピンだ。白布を追っかけ回すためだけに積んできたマネ力はしっかりと生かされている。薬のおかげでもあるけどね！！！そろそろ切れる頃だから早く帰りてぇ。


とはいえ牛島先輩が部誌を書き終えるまで待たねばならない。鍵は自主練組(寮生)の担当だ。｢自主練が終わるのを待ってたら深夜になっちまうぞ｣という監督の心遣いによるものだ。今日は何時間コースなんだろうなぁ…。


｢村上｣


｢かしこまりました｣


｢気をつけるんだぞ｣


｢はい｣


中身を見つつ空返事をする。ちなみに｢いつも真剣な表情で見ているからな｣との恩情により注意されたことはない。牛島先輩の書く内容は細かいし今後のマネ業の参考になるので見がちである。それにしても文字が綺麗だ。


なるはやで職員室に置いてこないといけないので、とっとと靴を履き替えて外に出る。｢武士から部誌を＿＿＿｣なんて言っている山形先輩の声は聞いてない。聞いてないったら聞いてない。あ、儚い命(せみ)先輩のサーブトス乱れた。





今日も一日とても疲れた…まさか帰宅の電車が満員だとは。ぶん投げた通学鞄を放置し、電気もつけずに、制服のままふかふかのオフトゥンに沈む。そんでもって右手だけモゾモゾと動かして目当てのものを探す。


｢相棒ぉ…｣


指先に触れた細長いものを手触りで確認してキャップを開ける。よし、まだ中身ある。


先端を咥えて大きく息を吸う。美味いとも不味いとも言えぬよく分からない感じが喉と肺を満たしていく。筒を口元から離してぼんやりと息を吐く。全身の力が抜けていく感じがした。


今日も私の相棒は最高だ。アカウニ先輩風に言うなら120点。電子タバコは電子タバコでもこれはヴィタボンというビタミン吸引剤みたいなものだ。『ビタミン＝健康っぽい』ではなくて？あ、違うの。そっかー。


これまで白布にへし折られてたら1週間は引きこもっただろうなぁ、それもそれで美味しいけど。そんなことを考えながらスマホでツミッターを開き、白布監視用垢(まだバレてないやつ)にログインする。これは日課だ。


うん、特に変わったことはなさそ…あった。なにこのフォロワーの女、におわせしてるじゃん。殺意殺意。

じゅうろく。従属はいやだ。→←じゅうよん。重要…？

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