Eternnite~永遠~ (ページ4)

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3話（エテルニテside）ページ4

───アリス…
どこからか聞こえる。
───アリス、鏡の中へおいで。
近づいてくる。
───アリス、なぜ雨に打たれているんだい？
「貴方は誰？誰に話しかけているの？」
───アリス、君に話しかけているのさ。
僕はチシャ猫さ。
「私はアリスじゃないわ。アリスは私の祖母。祖母は昨年……亡くなったわ。」
───知っているさ。だからこうして君のところに来たのさ。君はアリス。新しいアリスなのさ。
「どういうこと？」
───さぁね。それにそんなことはどうでもいい。退屈なのだろう？
「えぇ、とてつもなくね。」
───なら白うさぎを追いかけろ。白うさぎを追うんだ。
「白うさぎを…？」

チシャ猫に、白うさぎ……祖母がよく聞かせてくれた話に出てきた名前。懐かしく、春の日差しのようにあたたかい気持ちが、私の凍てついた心を久しぶりに溶かしてくれた気がする。
あの頃は……幸せだった。

「大変、大変、遅刻しそうだ!!」
タキシードを着たウサギ…白うさぎが時計を見て叫んでいる。
“白うさぎを追いかけるんだ”
白うさぎが走っていく。
思わず私はアリス走ろうとした。
走った。
出来るわけないと思っていた。
思ったのに、私は、私の足は野をかけた。
「うさぎさん、待って!!」
夢中で追いかける。足が止まらない。走り続ける。
「あっ…」
目の前には木。その根元の穴に白うさぎが飛び込んだ。
「近道だ!!」
という白うさぎの声を最後に、私の足は地面を蹴らず、私と私の悲鳴と白うさぎは長く長く暗い穴の中へ落ちていった。