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*34* ページ4




やっぱり

嬉しくなかったか。

可愛げないなあ…私。





「はあ…」





お風呂の中でため息。

ぶっきら棒に渡し過ぎてしまった。

使ってくれないよね、きっと。





「でよ」





お風呂をあがり

泉奏がいる元へ





「あ」

「なんですか?」

「使ってる」

「当たり前じゃないですか」

「嫌だったんじゃないの?」

「需要があるので」

「まあ、そうだけど」





早々と走るペン先を

眺めていた。





「ねえ」

「はい?」

「…ありがとう」

「何故貴方がお礼を?」

「え、だって
使ってるから」

「お礼を言うのは俺です。
先程はちゃんと言えなかったので」

「…」

「ありがとう、Aさん」





不覚にも

不覚にも、

頬が緩んでしまった

そして





「頬、緩んでます」

「うるさい」

「素直になればいいのでは?」

「貴方に言われたくない」

「お好きにどうぞ」





やっぱりなんなの。

不覚にも嬉しく思った

自分が

ばかみたいじゃない。





「じゃあ
俺も風呂に」

「はいはい
いってらっしゃい」

「口尖らせてると
可愛げないですよ」

「うるさい!」

「俺は静かです」





なんなの!

俺は静かです。

じゃないよ、本当に。

ペンが置かれたテーブルを見て





「一瞬でも使ってるところ
見れてよかった」

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設定タグ:アルスマグナ , 泉奏 , 神生アキラ   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Chii | 作成日時:2017年10月10日 11時

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