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＊42＊ ページ12
・
私は今。
泣きそうです。
・
「そうだったんだ…」
「Aさん」
・
名前を呼ばれ
顔をあげれば
そこには
泉奏が。
私は今、彼の腕に
すっぽりと収まっている。
・
「今までの事は
俺の強がりです」
「うん」
「簡単に居なくならないで
もらえませんか？」
「うん…」
「泣く時は俺の前で泣いてください」
「…」
「涙を一番に拭うのは俺です」
「泉…」
「後、笑顔の方が
素敵です。
その素敵な笑顔はみんなの
元気の源にもなります」
「ばか」
「だからこそ。
その素敵な笑顔の源は
俺に託してください」
「泉…私…」
・
そっと唇に人差し指を
当てられた私は
言葉がとまった。
・
「言わないで」
「え？」
「俺から言わせてください。
貴女のこと一日の中の日程に
俺を入れてください。
俺の一日の日程にも
貴女を入れます。
俺の隣で笑ってくれますか？」
・
今までにないくらい
優しい声で
優しい雰囲気で
優しい表情で
ゆっくりと
差し出された手を
・
「よろしくお願いします」
・
私は手に取った。
続く (更新停止中)
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作者名：Chii | 作成日時：2017年10月10日 11時
