八十三話 ページ3
焦凍side
八｢矢張り、紗桜にはバレるか｣
はは、と笑うと眠るAの頬を
つんつんとつついた
紗桜_____Aの母親_____と呼ばれた
彼女は柔らかく微笑んで、
紗｢だって、八雲さんって名前つけるの
下手だもの｣
と毒を吐いた
紗｢昔、飼ってた犬だって狛犬から
取って、
まさかの発言に驚いていると、
うっ、と顔を歪める八雲さん
八｢辛辣だなァ……まぁ、元気そうで
良かった｣
だが、優しく愛おしげに微笑んだ
紗｢それで？どなたに名前を
頼んだんです？｣
にっこりと微笑んだ紗桜さんは、
八雲さんに問う
八｢知りたい？｣
ニヤッと悪巧みを考えている顔をした
八雲さんは自身の妻を見る
紗｢で、どなた？｣
そんな夫をまるっきり無視し、
一刀両断する紗桜さん
しょぼん、とする八雲さんは
ア、ウン……と答えた
八｢いや、ね？久しぶりに
逢ったんだよ｣
紗｢先生って、確かお父様の……｣
八｢そうそう、その人だよ｣
話によれば、八雲さんの仕事中に
その｢先生｣と呼ばれる人に逢い、
生まれてくる子供の話をして、
候補の名前を聞かれて、いくつか
教えると苦笑いを浮かべて、
｢なら、私が付けてあげよう｣と
云われたらしい
紗｢ありがたいわね、今度逢ったらお礼、
云っておかないと｣
ふふふ、と微笑みながら腕の中にいる
Aを愛おしげに見つめる紗桜さん
八・紗｢｢よろしくね、A｣｣
二人は穏やかに自身の愛娘を見つめた
『怪奇ひしめくこの街の_____』
突然、Aの声が響く
何処か摩訶不思議な声だった
『これより始まる怪奇譚』
淡々と告げるその声は
『これが先触れ、前兆し……』
『さァ、私の記憶は始まったばかり』
『私の
冷たく、悲しげだった
その記憶を見続ければ、見続ける程、
Aの辛く、苦しい記憶が、
ささやかで、幸福な記憶が、
家族、仲間を思う想いが、
唯、一人を愛し続けたその一途さが、
よく目に見えた
そして、様々な人達に愛され、
人々を平等に愛した姿もあった
まぁ、中には熱狂的なファンや、
かなり心酔している奴もいた
そいつに関しては、どんな手を
使ってでもAを得ようとした
恍惚な表情を浮かべて、高価な宝石や
株券、証券を渡す人だったらしく、
流石のAも、困った顔をしていた
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ユウ - 面白いですね! 続き楽しみにしてます! (4月15日 0時) (
レス) @page11 id: 65d421c831 (このIDを非表示/違反報告)
メイデーア - 2の方に書きましたが、此方にコメント書いておきますね！私の最推しは綾辻先生なんでお相手が綾辻先生だということがとても嬉しいです。作者様、更新頑張ってください……！ (4月11日 14時) (レス) id: 8fc649d94d (このIDを非表示/違反報告)
駄菓子だいすき - 神なんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！？！？最高ですぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ！！！！！！ (9月28日 22時) (レス) @page3 id: 189d30a5fb (このIDを非表示/違反報告)
星月アオイ - すきですううううううううううううううううううううううううう (9月22日 14時) (レス) @page2 id: bf6dfd2e0c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - いやぁぁぁぁすきぃぃぃぃ (9月18日 22時) (レス) @page1 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：松前菊 | 作成日時：2023年9月10日 11時
