その一言だけが ページ43
黒死牟「...A...」
愧翠「遠回しに彼奴を殺すなって伝えたよ。」
「ありがとう。だけどさ...私...もうそっちに戻れない。荼津を殺してしまった」
愧翠「それなら殺し合うしかない。鬼と人間は...本来なら交えることができないんだ。」
「知っている。だから...黒死牟」
黒死牟「...わかっている...すまない...そして...ありがとう...」
もう辛い思いはさせないから。命を奪うなんてこと、もうさせない
「鬼にされた時から覚悟していた...私は死ななきゃいけないって...でも太陽の下に出ることすら叶わなかった。辛かった」
愧翠「...俺たちを殺して...今ここで逃げてみせろよ...生きてみろよ!!!」
もっと強ければ、遊郭の時に少しは運命を変えれたんじゃないか。もっと生まれるのが早ければ、錆兎と真菰を助けて今を共に生きていたんじゃないか
もっと自分を保っていれば、誰かに迷惑をかけずに...
「考えれば考えるほど辛いよ...黒死牟、私を殺したらどうする?」
黒死牟「殺さない...永遠に...この空間に...閉じ込めよう...」
「...不器用な優しさ...」
みんなの声すら届かなくなっていた
真っ暗な空間に、一人取り残されていた。連続して痛みを感じるし、泣きそうになってもそれを我慢しなきゃって思った。
愧翠「ダメだ...今の彼奴に意識がない...頼む!僕に指示を出してくれ!Aを救えって!!その一言だけがほしい!!!もう僕には決断できない!!!」
実弥「...」
愧翠「頼む!!!誰か!!!」
炭治郎「...Aの...匂い...」
冨岡「どんな匂いだ?」
炭治郎「あの時とまた違う...他の鬼たちより匂いが強すぎる...!」
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作者名:琲世 | 作成日時:2019年7月25日 12時