番外編:その日常 ページ22
鬼になる前の話
黒死牟からもらった勿忘草を眺めるのが、私の日課の一つとなった。彼の存在を忘れないようにずっと見つめる事が、私の幸福...
童磨「楽しいかい?」
「死ねばいいのに」
童磨「最初から毒舌?慈悲もクソもない。消えろ」
黒死牟から簪ももらった。黒死牟は本当に優しい鬼だ。最近は特別な感情らしきものがよく見える
...どういう影かはわからないが。
新しい着物を着替えるときも躊躇はない。童磨は感情というものが機能していないらしいが、恥というものだけはそこそこ理解しているように見える
童磨「仮にもそうやって着替えられるのは...」
無惨「娘」
「なに」
無惨「...後で話す」
即障子を閉められた。...そんなに女の裸が恥ずかしいのか
童磨「多分君のこと汚らわしいって思っているよ」
「結構。黒死牟のところに行ってくる」
黒死牟のところに行くと、黒死牟はただそこで座っているだけ。何時になるかわからないけど、今日は私から会いに行くと約束したから。鳴女の力を借りず自分の力だけで。
「黒死牟、簪ありがとう」
黒死牟「...ああ...お前は恥じらいを覚え...綺麗になることを...覚えろ」
「鬼に対して恥じらいなんてない。...だけど、黒死牟に云われたなら...綺麗になることだけは意識する。」
黒死牟「そうしろ...」
黒死牟に甘えて膝枕してもらう。今までの疲れが一気にとれた
黒死牟「...顔を...此方に向けろ...」
「わかった」
顔を向けた後は、黒死牟がいつも私を安心させるために...
...炭治郎たちに会いたい。その気持ちは何処かに消えていた筈なのに、急にその気持ちが溢れ出してきた
黒死牟「怖いか...」
「黒死牟は怖くない...でも...みんなに会いたい...」
黒死牟「そうか...だが苦しむ必要は...ない。もう少しで...楽になれる...」
もう少しで会えるという事だろうか。それとも...
...どちらにせよ、もう少しで楽になれるというのならば...
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作者名:琲世 | 作成日時:2019年7月25日 12時