夢主side ページ26
いつからだろう。
こんなことをされるようになったのは。
そうだ、碧海ちゃんが来てからだ。
来るまでは、こんなことはなかった。
仕事お疲れ様、
いつもありがとう。
そんな言葉もなくなった。
いつしか、バレー部は、碧海ちゃんのお城だった。
仕事をしていないのは碧海ちゃんなのに。
いつも仕事をしているのは私なのに。
ねぇ皆、よく見てよ。
碧海ちゃん、ずっと応援かアドバイスしかしてないじゃない。
いつも部活始まる直前に来るじゃない。
何か理由をつけて。
いつスポドリ用意できるのさ、碧海ちゃんに。
よく見てよ。
記録ノートの字も、変わってないじゃない。
なにが、
「碧海ちゃんの字ってあいつに似てるね」
だよ。
似てるに決まってるじゃない、私の字なんだから。
どうして誰も気づかないの。
どうして…気づいてくれないの……？
…………………そっか。そうだ。
選手は練習に一生懸命取り組んでいるんだから、気づくわけがない。
それなのに、どうして私は部員に助けを求めていたのだろう。
部員に助けを求めるなど、これほどに愚かな行為はない。
なんだ。
結局悪いのは自分じゃないか。
私はなんて愚かで馬鹿だったんだろう。
笑えてくるなぁ…。
そうだよ、前にも同じことを思ったじゃないか。
私が我慢すればいいだけだって。
いつから我慢もできない子供になったんだ、
東雲A。
あなたならできるでしょう？東雲A。
いや、我慢しなくては。
為す術がないのであれば、何もしなくていい。
こんな奴らのために、時間を割くなんて、
なんと愚かなんだろう。
私が黙っていればいい。
我慢すればいい。
何度思ったんだ？過去の自分よ。
あなたならできる、東雲A。
そうだ、私ならできる。
誰にも迷惑をかけてはならない。
助けを求めるなんて愚かな行為はするな。
私ならできる。
きっと、きっとできる。
自分の中で何かが崩れる音がした。
でも、きっと気のせいだ。
だって私は
私は＿＿＿＿＿＿＿＿＿
私だって
碧海ちゃんみたいに泣いて、
泣くだけで助けてくれるなら、
＿＿＿＿＿＿泣きたいよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 317人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みっちゃん - 完結した！大好きなお話が完結するのは寂しいですが今までお疲れ様でした！ (2018年12月25日 16時) (
レス) id: 6c130550c4 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 完結したぁあぁあ！待っていてよかったです笑笑。お疲れ様でした。 (2018年12月24日 22時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
眠(プロフ) - すこ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 5b23de15b2 (このIDを非表示/違反報告)
たみ - 裏切りの小説で、一番面白いです！更新、頑張って下さい♪ (2018年11月17日 0時) (レス) id: 75ee66b86b (このIDを非表示/違反報告)
キョウヤ - 赤司、、、、！紳士！神か！ (2018年11月3日 19時) (レス) id: 665ea8b906 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫宛(しおん) | 作成日時：2018年2月15日 21時
