モリアーティ兄弟の末っ子【名探偵コナン】 (ページ7)

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2.末に、しみじみ想うページ7

夕暮れ時、ポアロからの帰り

男「おい嬢ちゃん、傷付きたくなきゃついてきな」
「…理由をお伺いしても？」

首に微かに触れる、モノ。
恐らく刃物だろうと予想が着いた。

男「言えねえなあ、とっとと着いてきな」
「……わかりました」
男「聞き分けいいじゃねぇか！それに…よく見たら上モノだし……神は俺を見放していなかったんだ！ギャハハ！！」

警察「居たぞ！！追え、追えー！！」
男「チッ！来い！」
「えっ、きゃっ！？」

男の方にかかえられる。
どうやら彼は私を人質として捕まえたようだ。

？「止まれ！！」
男「先回りだとっ？！…」

警察だと思われる人物が男の前に立っているのだろう。
私の視界には彼の後ろから迫る警察達と、彼の背中のみ。
立っているかは確信できないが、ほぼ確実だろう。

男の力が緩まったのを確認して、足を彼の腹につけて、思い切り蹴る。

男「ぐっ、！！このアマ！！」

驚いたのか、彼は私を離して、私は地面に倒れた。
そして、持っていたナイフを持ち、私に襲いかかろうとしてきたのだ。

？「ぅおりゃ！！」
男「うぐぁ…っ！！！」
警察「急げ！！逮捕しろ！！」

＿

「彼は何をしたのですか？」
？「あ？…強盗未遂だよ」

「未遂…？お金を盗む前に警察が到着したのですか？」
？「嗚呼。だがまさか人質をとるなんてな。」

「お陰で助かりました」

？「…俺は松田陣平、事情聴取もあるしな。送ってやる。」
「ありがとうございます、助かります。」

彼の車に乗り込み、少しして
信号が赤に変わったので止まった車。

ふと、隣の運転をしている松田さんを見てみる。
窓に頬杖をつき、片手でハンドルを握りながら外を眺めているようだ。

陣平「……んだよ」
「えっ、あ！ごめんなさいつい…！」

私は咄嗟に謝った。そしてまた前を向いた。
正面からはサングラスで見えなかった彼の瞳には美しい太陽が映っていて、頬杖をつきながら太陽を見る彼の表情が儚い…というか。それで無意識に見つめてしまっていた様だ。

その後無事に事情聴取を終えて、松田さんに家まで送って貰ったのだ。

そして疲れが溜まっていたのか、お風呂に入ってご飯を食べたら直ぐに眠った。

＿彼女は気づいて居なかった。彼女が彼を見つめて、また正面に視線を戻した際に彼の耳が少し赤に染まっている事に。