過去 ページ22
【過去】
物心ついたときから両親はおらず、施設で育った柊。
幼い頃＿＿それこそ四歳頃までは「今」の柊同様にまるきり子供らしい子供、であった柊。
だが、子供にも完璧を求めた当時の園長はそれを良しとしなかった。
「いい子にしていないと誰にも見つけてもらえないわよ」
そう耳元でささやかれた、その言葉はあまりにも残酷で、当時５歳だった柊の心に強い鎖を巻きつける。
一人は嫌だ。一人は怖い。幼心ながらにそうトラウマづけられた柊は、今までの子供とはまるで違う、まるで老成した大人のような性格を「かぶる」
此処でも、その「ごっこ遊びの才能」は存分に活かされた。活かされてしまった。
感情を抑える。その中でも特に出さないようになったのは「哀しい」という感情。
「大人なら人前で泣くことは許されない。」
園内は常に見られていた。
いついかなる時でも涙を見せなくなった柊。
使われなくなった感情は、柊の中で、まるで最初からなかったかのように扱われる。
13歳。柊に引き取り手が現れる。
そこでも、柊は不遇であった。
能面の様な柊のことを誰もが気味悪がり、近寄ろうとしない。
孤独・好奇・嘲笑＿＿＿そんな感情ばかりが柊の中で渦巻く。
ある日、柊は壊れた。
ピクリとも表情を動かさなかった柊が、今度は子供のような天真爛漫な笑顔を浮かべている。
当然里親は不気味がった。
きっとこれは精神が異常に違いない。そう判断した里親は病院に連れて行く。
そこで柊は「仮面症候群」と診断を受けた。
当時、14歳のときであった。
結局里親の元を離れた柊は、遠縁の親戚であるという現在の保護者に援助してもらいつつ、一人暮らしをしている。
最初は何もわからなかったが、そこは好奇心旺盛な柊。数週間で家事をものにする。
誰からの愛ももらえなかった少女。
家族のぬくもりを知らない彼女は、愛し方さえも解らない。
○イメージソング
「アダルトチルドレン/カンザキイオリ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽぽ - じきるさん» 分かりました!頑張りますね!こちらとしては関係組んでくださっただけですごく嬉しいので……! (5月30日 17時) (
レス) id: 8fec33f08b (このIDを非表示/違反報告)
じきる(プロフ) - ぽぽさん» 助かります〜〜〜！！すみません自分こういうの考えるのがすごく苦手で.....💦 (5月29日 23時) (レス) id: 6c6e52b801 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ - じきるさん» ありがとうございます！また思いつきましたら書きますね! (5月29日 23時) (レス) id: 8fec33f08b (このIDを非表示/違反報告)
じきる - ぽぽさん» めちゃくちゃいいです！！！ (5月29日 22時) (レス) id: e6e0efee62 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ - じきるさん» ありがとうございます！もう一つ思いつきまして、『反対の印象』はどうですか? (5月27日 10時) (レス) @page3 id: 8fec33f08b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：じきる | 作成日時：2023年5月11日 14時
