Sweet Liar 【chapter6 please don’t say....】 (ページ10)

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144話ページ10

Aの抜かりのなさになんとも言えない表情を見せる
健人にケイが話し始める。

ケ)今日、お呼びしたのは、これを…渡すためです。

健人の前に差し出されたのは、少し大きめの
段ボール箱だった。

そして、ケイはその中を開けて、一冊のノートを取り出した。

ノートの表紙にはSexyZone ノート☆ と書かれていた。

健)なに、これ

ケ)Aの皆さんとの思い出全部です。

…あの日、お二人に別れを告げたあと、
正確にはお二人から姿が見えなくなった後、
Aが大泣きし始めたんです。

家に帰っても、涙が止まることはなくて…
正直びっくりしました。
幼馴染の僕でさえ、
Aの泣いてるところなんか、
本当に小さい時にしか見てませんから。

ようやく話せるようになって僕に頼んで来たんです。
自分で捨てようと思ったけど、
やっぱり無理だからこの段ボール箱を
私の代わりに海に捨てて来てって。

健)それが、この箱…

ケ)はい。
でも、僕は捨てられませんでした。
その理由は…見たらわかると思います。

健)なんで俺に渡すの？

ケ)Aがいつも健人くんはお兄ちゃんみたいな
存在で絶対的信頼を置いてるのって言ってたので。

健)そう…じゃあ、俺からも、これ…

ケ)これ、菊池さんから…？

そう言ったケイの手には小さな箱。

健)あいつが一度海に捨てたやつを、俺が拾って来た。
5ヶ月記念にあげるつもりだったらしい。

ケ)…中島さんが直接…

健)渡せないよ。俺らみんな…

しばらく沈黙が続いた後、ケイがありがとうございます。

Aに必ず渡します。と言って去っていった。