158話 ページ5
男)ああ、とても。とても仲良くさせてもらってる。
風)どっちから？
男)僕からだよ。
風)そのネックレス、かっこいいな。
男)えっ！？
風)Aもしてたよな、ネックレス。
男)ああ、A、すっごく嬉しそうだよな？ネックレス
の話を振らると、いつも真っ赤になって言ってくれ
るんだ。「これは私の頑張る力の源なの」ってね。
あー…おれ、完全に自滅したわ…
はぁ… とため息をついてから、顔を上げると、
廊下をもう少し行った角のところにAが見えた。
困った表情をして、男と話している。
男)あー…A、また捕まってるよ。あいつもしつこいな。
風)よくあることなのか？
男)ああ。Aは優しいし気さくな子だからね。
賢くて強いのに、時々すごく守ってやりたい。
って思う時があるよ。
風)ああ…わかるよ。
おれがそう答えると、フレッドは少し笑ってから
男)悪いけど、用があるから君が助けに行ってやってくれ
と言った。
いや、お前が助けてやれよ。
じゃあ、と言って、振り返りざまにニヤッとしたかと思うと
男)ちなみにね、僕がAのことを守ってやりたいと
思うのは、酔った時だよ。彼女、泣きそうな顔で
Fumaって呼ぶんだ。
と言って、ウィンクをして去って行った。
やられた。
まんまと騙された。
そう思いながら俺はAの元に走って行って、
絡んでいた男を追い払った。
Aは一瞬驚いた顔をしたが
貴)また、ヒーローが助けに来てくれたんだね
と笑って言った。
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作者名：テイル | 作成日時：2020年7月30日 1時
