狐393 ページ17
Aside
足場が今にも抜けそうな離れの廊下。
かなり老朽している様子。
只今追っ手から逃げてます！！
小さい窓から射す薄い光を頼りに、
暗い廊下をとにかく走る。
後ろからは敵の掛け声や叫び声。
カルマ「ボス部屋前に待ち伏せかよ！！」
私たちが離れに侵入した途端、防犯装置がギャンギャン鳴った。
離れの中で走るけど、私元ニートなんですよね。
すごくハードル高い屋内ランニングですね、はい。
A「り、りつ、ちゃん……、状況、は」
律「離れだけ原始的なシステムを織り交ぜた警備が施されているようです……。
すみません、新しい内部マップを手に入れました」
カルマ「よし道案内頼む！！」
律「そちらの階段を登って右3番目の扉を開けて、
前から2番目のハシゴを下りてください」
カルマ「迷路みたいだな」
呟いたカルマの背中を、実弾の銃が掠めた。
反対側の壁に穴が開く。
なんでこんな……！！
私は走りながら咄嗟に銃を引き抜き、
ああもう面倒くさい、
と球を一発取り出して弓を構える。
ここまでの時間、0.8秒。
発射した超小型の麻酔注射器は真っ直ぐに敵へと刺さった。
カルマ「A、早くッ！！」
螺旋階段を駆け上がりカルマに追いつき、
彼はすぐに木の板のような物を下に落とした。
それに敵の数人が巻き込まれる。
けど当たったのはほんの数人だけだった。
カルマ「チッ！！」
休憩は僅か十数秒、再び私達は走り出した。
……ちょっと、キツイ……！！
律「相手を撒くには……。
危険ですがもう一つ上の階、
床が脆くて通路も複雑です！」
カルマ「仕方ないか……」
吐く息に混ぜるようにカルマは私にそう言った。
私は返事する余裕さえ無い。
階段を登り切って、掠れる視界で前を見た。
彼の背中から目を離さないように、とにかく走って……。
突如、
足首に、刺さるような激痛。
A「きゃあああ！！！」
バリ、バリバリッ!!!!
____虫喰いが酷かったのかもしれない。
私が足を置いた床が、
小さな穴を起点にして崩れ落ちた。
カルマ「Aッ？！」
カルマの叫び声が聞こえる。
流れる汗でさえ空中を駆け下りたまま。
螺旋階段の外側の吹き抜けで、
相当な高さから落下していく。
掻いた手が掴むものは何もない。
心地悪い浮遊感。
悲鳴も詰まり、覚悟して目を閉じる＿＿＿＿。
そこで私は確かに銃声を聞いた。
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楽音ヒマリ(プロフ) - 夢主や業君とE組生徒達の絆の関係など素晴らしくて終始涙が止まりませんでした…1番は最後の浅野君が登場した時、思い出してないんだなという所に胸が締め付けられてしまいました…理事長は知ってたのか等の考察が出来る最後でした、ありがとうございました (2019年8月13日 3時) (
レス) id: 67b7da66f0 (このIDを非表示/違反報告)
エリん(プロフ) - 久し振りにどうしても気になって来てみましたが…まだこんなに読んでもらえてコメントも貰えるなんて…どんなコメントでも嬉しいです。沢山の方に支えて頂き、楽しんで頂き、本当にありがとうございます。 (2018年8月30日 21時) (レス) id: 307616027c (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - カルマくんが好きでいろんな小説読んできましたが、1番感動しておもしろかったです。話が終わってしまい寂しいですが、この小説を書いていただき、本当にありがとうございました！！次の作品も楽しみにしてます。 (2018年8月6日 15時) (レス) id: 1371580f3c (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴 - ごめんなさい！何か、話の最後がズレ過ぎて、よく分かりませんでした (2018年7月20日 22時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
真命 - すごく感動しました！久しぶりにこんな良いお話を見ることができました！ (2018年6月18日 12時) (レス) id: 005e3ba049 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリん
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/Erin02rabb1/
作成日時：2016年12月19日 16時
