In This Room-Third time-

＠５６ ページ7

『意味不明』
「ふふふ。隆の肌と交換して欲しい」
『Aの肌も綺麗だよ』
「んー、隆の肌が好きなの」
『マニアック過ぎません？』


寝起きの彼女は、ずっと頬を摩っていて嬉しそうだし
Aが触れている場所がくすぐったい。


『今日は買い物に行く？冷蔵庫が空っぽ』
「だね、何が食べたい？」
『和食！久しぶりに生姜焼きが食べたい』
「生姜焼きね」


Aは「料理は苦手」なんて言うけど、普通に美味しい。
インスタに出てくるような、お洒落な物じゃないけど
家庭的で栄養バランスが取れた食事。
俺は女子受けのいい物よりも、Aの作る食事の方が好き。


「準備するから少し待ってて」
『ゆっくりで大丈夫、スーパーは逃げないから』


準備しながら、Aが急に笑いだして
「スーパーが逃げるのを想像しちゃった」って言うから
つられて想像したら確かに笑える、少しシュール過ぎるけど。


『Aって想像力豊かだよね』
「想像力は大事だよ」


この仕事をしていると、どうやって楽しんでもらおう。
どうやったら喜んでもらえるか、一生懸命に考えて悩んで。
そして、想像をする。


「私は定期的にイマジネーションを体験しに行くから
　 その分、像増力は豊だし隆にも負けない自信があるよ」
『じゃ、想像力豊かなAちゃん。
　 今、俺の考えている事はな〜んだ』

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