不器用な２人 -2-

fortune ページ45

隆弘君の束縛。

きっと、あの事件があったから始まったんだと思う。

恋愛経験がほとんどない私には、なにもかも初めての経験。
私だって不安で、隆弘君の小さな出来事だって
知りたいって思うし、もう少しマメに連絡もらえたらって思う。

女の人とお仕事するなら、前もって知らせて欲しいとか
休みの日、１時間だけでもいい
私と一緒に買い物に行って欲しい。

それだって束縛だって言われそうだけど。
隆弘君の行動まで束縛したいとは思わない。

でも、隆弘君は違う。
私を家から出さない事で、心配事を減らしたいんだと思う。


宇野「Aちゃん、優しすぎるよ」
『でも、私は隆弘君が好きだから・・・』


仕事帰りに家に来てくれた、みさちゃん。
みさちゃんは、そんなの愛情じゃないって言うけど。


『隆弘君なりの愛情表現だと思ってる。
　 いつかは・・・前の優しい隆弘君に戻るって信じてる』
宇野「もし変わらなかったら？」
『・・・ここを出て行く』


もしもの時の為に、行先も既に決めてある。


宇野「私も、他のメンバーもAちゃんの味方だから
　 相談して欲しいし、力になりたいから」
『っ、ありがとう・・・みさちゃん』


抱きつくと、背中をゆっくり撫でてくれて。
お姉ちゃんとは違う温かさに、涙がこぼれた。

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