不器用な２人 -2-

fortune ページ40

N

「俺は、Aの方が心配。
　 助けてあげたいのに、直ぐに助けられないから」
『こうやって話せるだけで、心強い。
　 それに、お姉ちゃんもいるから大丈夫』
「もう少しだけ、頑張って。
　 こっちでも対応できるようにするから」
姉「私の方も弁護士に相談してるし、彼女達の宿泊名簿を
　 見せてもらえるように手続きしてるから」

と、姉が言えば。


「じゃ、対応は早いかも。
　 こっちも事務所の弁護士にお願いをしてたんだ」
姉「じゃ、こっちの弁護士にアポ取るように伝えておくわ」


本当にAは昔から変わらない。
責任感があって、正義感があって。
そして、他人にも優しい人。
厳しく躾られたせいもあるんだろうけど。


姉「私はね、こんな事するような人が心底嫌いなの。
　 もし、あの２人組が西島君達のファンなら更にね。
　 そんな事して喜ぶと思っているのかって小一時間聞いてみたいわ」


それは、ごもっとも。
俺も同じファンを傷つけてまで、応援はされたくない。
家族さえ自分達の欲望に巻き込まれて、喜ぶ奴はいない。


姉「２人には幸せになって欲しいの。
　 だから、私は許さないしA家も容赦しないから」


今まで聞いたことがないくらいの低い声。
完全にキレてるA、Aが慌てた声で『落ち着いて』を
繰り返してる。
Aを怒らせると、こうなるんだと肝に銘じた。

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