アクアリウムに溺れて

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『うん、ちゃんと言って欲しかった。

　 悪いところも心変わりしたことも言って欲しかった』
　

　 これが本音。

　 隆弘の雰囲気が変わってから自分の本音言ってなかった。

　(寂しい)(今日はデートしよ)(隆弘が欲しい)

　 言っても、どうせ断られる・・・そう思っていたから。

　 言いかけた言葉は全て飲み込んだ。

　 同じ空間に居るのが怖くて仕事に逃げてた。
　

　 『別れる・・・なら・・・』


　 ＿＿＿この先を言うのが怖い、声が震える。


　 『提出は弁護士さんが代理で出してくれるって。
　 私は部屋探してもらってるから暫くはホテル暮らしになる。
　 荷物は全部持って行けないから今日は必要な物だけ持ってく。
　 だから、それまで私の荷物はこのままでお願いします』


　 頭を下げて荷物を纏める為に席を立つ。

　 昨日、大泣きしたおかげか涙は出ない。

　 でも、昨日からぽっかりと開いた穴は更に大きくなった気がする。

　 歩き出そうとした瞬間



　 「待って」


　 今にも泣き出しそうな隆弘の声が私の動きを止めた。

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