アクアリウムに溺れて

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朝起きると見られない天井。

　 (あーホテルに泊まったんだっけ)

　 そんな事を考えながら身支度をする。

　 朝一番に社長に会いに行く。
　
　 話したい事があるから。
　
　 隆弘ともちゃんと話し合いをしなければお互いに前には進めない。

　 事務所に着き、社長室のドアの前で一呼吸。


　 トントン

　 社長「どうぞ」

　 社長のいつものトーンの軽い返事。

　 社長「お、ことりか。どうした？」

　 大丈夫か？と聞かない優しさに泣きそうになりながら


　 『お願いがあります。』

　 そう切り出した。


　 社長と話を終え自宅に戻るタクシーの中。

　 自宅にいるであろう隆弘と何を話せばいいのか考える。

　 過去を聞いて責めても傷は軽くはならない。

　(離婚)か(結婚を続ける)か。

　 答えを出さなくちゃいけない。

　 躊躇いがちに玄関のドアを開けると隆弘が出迎えてくれた。


　 「おかえり、ことり」

　 『・・・ただいま』


　 お互いに探り合ってるぎこちない挨拶。


　 「話そうこれからのこと」


　 頷いてリビングへと向った。

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