第93話 ヒーローたるもの後編 ページ47
誰も喋らなかった
否
口を開くことができなかった
というのが正しいかもしれない
「何も知らないガキがそういうことを言うんじゃない!!」
どこからかそんな声が聞こえた
最もだ
普通に世間一般常識から考えたらそうだろう
私はまだ子供であって
ヒーローでもなければ
何でもない
直接的な権力もなく
何かがあるわけでもない
周りからしたら生意気そのものだろう
ただそれではいけないのだ
"間違いだ"と声を上げるのに年齢は関係ない
『えぇ…私は子供ですからまだまだ知らないことも多いでしょう、確かに彼の行動は無鉄砲極まりなかったことは事実です。勿論私も含めて……そこについては私は言及するつもりはありません。ただ、彼の起こした行動の凄さも…何も分からなかった貴殿方は是非とも家に帰って転職サイトでもご覧になって下さいね!!』
私は精一杯の皮肉も込めそう言いきり
モジャモジャ緑くんの学ランの裾を引っ張り
この場を離れた
依然として
苛立ちはおさまらなかったが
いつまでも苛々していてもしょうがない
"割り切れ"と念仏の様に心で唱える
「あのｯ……!!!」
『……え??あ、ごめんなさいｯ!!!!!!勝手に色々言っちゃって申し訳無かったです!!』
声を掛けられ
学ランの裾を握ったままだということに気が付き
慌てて手を離す
ついでに頭が冷えてきて
何をベラベラと本人でもないのに口走ったのかと
羞恥心やら申し訳なさやらに襲われる
「いや!!!むしろ、なんというか……すごく、カッコ良かったです!!!!」
『いやいやいや、物凄く生意気で…器も小さいことがもろバレた様なものです………』
「……そんなことないですよ!!!僕、あの場でしかもヒーローという立場の人にしっかりと"違う"、"間違ってる"って否定ができる君がすごくカッコ良かった」
モジャモジャ緑くんは
若干頬を赤らめながらそう言いながら
蟀谷辺りを指で掻いていた
『あ!!私、人を待たせてるんでしたｯ!!!!ごめんなさい、じゃあこれで!!』
私はパパとマイクと
待ち合わせをしていたことを思い出し
モジャモジャ緑くんに軽く別れを告げ
文ちゃんのところへ行けば泣きながら抱き付かれた
私はごめんと謝りながら荷物を受け取り
駅で文ちゃんと別れてから
約束の場所へと向かった
第94話 飛び出し後悔 前編→←第92話 ヒーローたるもの前編
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miotyatora29(プロフ) - こんにちはコメント失礼します！ほのぼのしてて面白かったです！質問なんですけど相澤先生って設定では30歳なんですけど夢主ちゃんの年齢から計算すると……相澤先生13歳で妊娠させてることになるのではないでしょうか…|ω•˘ )勘違いだったらすみません🙇 (2022年10月12日 18時) (
レス) @page12 id: e25d5229fc (このIDを非表示/違反報告)
蒼天 - printemps(プランタン)さん» 家族らしさを伝えられるよう作品を書いてきたので、そう褒めていただけて嬉しいです!!ありがとうございます(*'∇') (2020年4月17日 11時) (レス) id: de42be2b65 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - …家族だなぁ(ほのぼの) (2020年4月5日 22時) (レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
蒼天 - 鯣さん» 鯣さん、ありがとうございます(*´∇｀)!!!! (2018年11月19日 21時) (レス) id: be4adeb0ca (このIDを非表示/違反報告)
鯣(プロフ) - 蒼天さん» いえいえ大丈夫ですよ！読み方はさくやのがくえんです！ (2018年11月19日 18時) (レス) id: 12f3679b3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼天 | 作成日時：2018年8月21日 10時
