第92話 ヒーローたるもの前編 ページ46
時が一瞬にて止まったかのような感覚だった
音が消え全てがスローモーションのように過ぎ去る
隣には私と同じ様に助けようと飛び出し
モジャモジャ緑頭の子が
必死でヘドロを掻き出そうとしていた
『モジャモジャ緑くん!!今からこのヘドロを退かすからその瞬間にこの人のこと引っ張り出してねｯ!!!!一瞬だから!!!!』
「わ、分かったｯ!!!!!!」
その声を聞き
目の前の人の形を明確且つ正確に頭の中で描く
『消滅ｯ!!!!!!』
ヘドロに手を触れ
一瞬でヘドロを消し去る
その瞬間にモジャモジャ緑くんが急いで
その人のことを引っ張り出してくれた
そこからの展開は目まぐるしいスピードで進む
「私がぁぁ〜来たｯ!!!!!!……少年少女、よく頑張ったね!!もう大丈夫、なぜって???私が来たからさ!!!!」
ヘドロに向かって強烈なパンチをお見舞いすれば
木端微塵になって
ヘドロはどこかへと飛ばされてしまった
「君達ｯ!!!!なんで飛び出したんだ!!!」
まあこうなることも予想していたわけで
怒られるだなんて思っていたら
急に腕を引っ張られて
周りを人に取り囲まれる
「すごいねｯ!!!!!カッコ良かったよ!!!!」
「あんな強個性見たことないわｯ!!」
「ぜひ将来はうちの事務所においでよ!!」
これでもかというほど
人々から称賛の声を掛けられた
個性を使った私が褒められ
個性を使わなかった彼は叱られる
本来であれば未成年の
公共の場での個性使用は禁止されている
怒られるべきは私なのだ
なのに彼が怒られるという事実に
素直に苛立ち
純粋に怒りが込み上げてきた
"個性あるものが全て"
現在の世の中がそういう風潮なのは致し方がない
それでも
無個性であるが故に
この場で最も勇敢だった彼が
なぜ咎められなければならないのか
その事に心底腹が立って仕方がなかった
いや
もはやその怒りを留めることができなかった
『……もう1回言っていただけますか???』
「へ??」
『だから、もう1回貴方が彼に言った事を仰って下さいと言っているのです』
「いや、ね…何も考えずに行動するのは危険だよってことを伝えていただけだよ!!!!」
私が怒っていることを察したのか
彼のことを悪く言っていたヒーロー達は慌て出す
『何が"何も考えずに行動するのは危険だよ"なんですか???貴殿方は個性の相性だの、負ける事だの考えて、自分の体面を守ろうとしていただけじゃないですかｯ!!!!なぜあの場で最も勇敢だった彼が咎められなければならないのですｯ??』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 599人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
miotyatora29(プロフ) - こんにちはコメント失礼します！ほのぼのしてて面白かったです！質問なんですけど相澤先生って設定では30歳なんですけど夢主ちゃんの年齢から計算すると……相澤先生13歳で妊娠させてることになるのではないでしょうか…|ω•˘ )勘違いだったらすみません🙇 (2022年10月12日 18時) (
レス) @page12 id: e25d5229fc (このIDを非表示/違反報告)
蒼天 - printemps(プランタン)さん» 家族らしさを伝えられるよう作品を書いてきたので、そう褒めていただけて嬉しいです!!ありがとうございます(*'∇') (2020年4月17日 11時) (レス) id: de42be2b65 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - …家族だなぁ(ほのぼの) (2020年4月5日 22時) (レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
蒼天 - 鯣さん» 鯣さん、ありがとうございます(*´∇｀)!!!! (2018年11月19日 21時) (レス) id: be4adeb0ca (このIDを非表示/違反報告)
鯣(プロフ) - 蒼天さん» いえいえ大丈夫ですよ！読み方はさくやのがくえんです！ (2018年11月19日 18時) (レス) id: 12f3679b3b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼天 | 作成日時：2018年8月21日 10時
