闇の天使の鈴の音~弌~ (ページ12)

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始まりページ12

『可愛いでしょ？あの2人。』

ハ｢そうだな。｣

この地とも少しの間さよなら。
動物達に伝えとかなきゃ。

漆黒の髪を揺らしながら夕焼けに色づいた森を歩いて行った。

ついに始まる。
変えなければ。変わってしまったこの国を。
初代女王として、国を作り支えた者として。
また、1つの命あるモノとして。

『道のない道を歩いてきた咲いた花は種を作りまた一つの命が芽生える繋がっていく』

終わりを遂げてもまた次の次の世界を見てまた終わりを告げる。
終わり見てみたい私からすると羨ましいことだ。

ハ｢相変わらず綺麗な声だな。｣

『ふふっ。聞いていたのね、ハク』

この男は本当にどこにでもいる。

ハ｢もう日も落ちて暗いぞ。ユン達の家に帰らないのか？｣

『いつ帰ってこられるか分からないから。
みんなに伝えとかなきゃ』

自分を囲んでいる動物達を見渡して
『帰ってくるから待ってて』切なそうにつぶやいた。
そんなAを励ますように動物達は鳴いた。

日が登ればここを立つ。

『あなたといる時落ち着くわ、不思議ね』

だから、怖いんだ。いつかこの温もりはなくなる。
私独りが残るから。
この温もりを覚えてはいけない。

ハ｢...。｣

ハクもまたなんとも言えない顔で私を見ていた。