溺愛2 ページ2
「慧にぃ、私先行くよー!?」
玄関で叫ぶ私。
『えぇ〜、待ってー?』
そして、リビングで叫ぶ慧にぃ。
ったく、もたもたしてんじゃねーよ。
私と慧にぃの行き先は同じ。
私の高校の保健室の先生として慧にぃが働いている。
つっても、私が高校に入学する時。
『Aが心配だよ〜。』
「慧にぃ、私ももう、そんな子供じゃ…。」
『よし!オレもその学校に通う!』
「は!?」
って事。
初めは制服で通うのかと思っていたら、
入学から数ヵ月後、白衣を着てやって来た。
あのバカ、ホントに何でもしちゃうんだから…。
それなりに、嬉しいけど。
『あ、今オレの事考えてくれてたでしょ。』
「ほわっ!?」
考え事をしていると、目の前に慧にぃの顔のドアップが。
ニコニコして私の返事を待っている。
…たまには素直になってみますか。
「…そうだよ。」
『で、で?どんな事考えちゃってたの?もしかしてチューしたいとか…。』
「もたもたおっせーな。もう、置いていってやろーかなって考えてたんだよ!」
『いったぁい!』
本日、3度目のマッシュルームにおみまい。
女子のような悲鳴だな…。
ってか、素直になんてなるわけねーだろ!
私が素直?
キャラが違いすぎるわ!
例え私が素直になってしまったら。
次の日は雨でもなく、雪でもなく、槍が降ってくるよ。
『すぐに手を出すのはやめよーよ…。』
マッシュルームを撫でながら靴を履く慧にぃ。
「なら、慧にぃも高校の女子全員に手を出すの、やめたら?」
私、知ってるんだからね。
慧にぃがチャラいこと。
友達が口を揃えて言うもんね…。
“伊野尾先生、キスまではしてくれるのに…。”
って。
『別にいいじゃん。どーせキスまでだし?』
「それ以上やったら、逮捕モンだ!この、変 態やろぉっ!」
『あ、ヤキモチ…待って!』
私は我慢出来ず、慧にぃを放って玄関を出た。
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作者名:慧音 | 作成日時:2017年3月2日 19時