挨拶 ページ36
「…あ、あれ」
「…?…知り合いなん?、角名」
首を傾げた治に、うん、と頷いてから、彼女に目線を移す。
及川A。
どこかで見たことがあるなぁと思ったら、そういえば去年委員会が同じだった彼女。
相変わらず気持ち悪いくらい整った顔で、侑と向き合ってにこにこ笑ってる。
彼女も身長は女子にしては高い方だと思っていたけれど、その細さのせいか、とても小さく見える。
少し短めのスカートから覗く脚は、これまためちゃくちゃ細い。
そして白い。
お似合いだなぁ、
もしかしたら付き合ってんのかなぁ、
なんて、頭のどこかでぼんやり考えた。
なんの前触れもなくぱっとこっちを見た彼女の目が、大きく見開かれる。
「…あ、角名くん」
ぽつりと呟くように言った彼女に軽く手を振ると、彼女も手を振り返してくれた。
それを見て、侑が分かりやすく顔を歪める。
…なんなの、付き合ってるの?
「…角名、行くで」
「は?」
治が急に俺の腕をがっしり掴んで、俺はそのままずりずりと引きずられる。
「どうしたの急に」
「挨拶、せんといけんやろ」
「あぁ…」
なんで俺が行く必要があんの?
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作者名:えのきのこ | 作成日時:2019年5月21日 19時