お説教 ページ34
結構急いだけど、学校に着いたのは9時半。
良かった。Aがおにぎり作ってくれて。
コンビニまで買いに行ってたらもっと遅れてた。
それでも部活は9時からなので、立派な遅刻。
若干まだ湿っている制服を部室に干して、体育館まで走った。
バン、と扉を開けると、全員の視線がこちらに集まる。
ちょうど休憩時間だったようで、部員達は思い思いの場所でドリンクを飲みながら休んでいた。
「あ、お前!!!」
大きな声を出したのは、治。
大股でのしのしと俺に近付いてきて、俺の前に立った。
「なにのこのこ部活来てんねん!!どこ行ってたんや!!返事もなしに!」
「…は!!忘れとった!!」
やば。
Aに気をとられすぎて、完全に忘れていた。
あとで返事すればええか、と後回しにしたのが悪かったのかもしれない。
「あほ!!!」
目の前で大声で怒鳴られる。
こんなに怒る治は珍しい。
俺が間違えて300円するプリン食ったときぐらいだ。治が本気で怒鳴るのは。
「ごめ…」
「どんだけ心配かけたと思ってんねや!学校にまで連絡したんやで!!」
「…う、」
「今日も帰って来んかったら警察行くつもりやってん、あほ!」
俺に掴みかからんばかりの勢いで怒鳴る治の肩に、ゆっくり近付いてきた北さんが手を置いた。
落ち着いた静かな声で、治に話しかける。
「治、落ち着け」
「北さん…っ、でもこいつ…!」
「治」
「…っ…はい…」
名前を呼ぶだけで治を黙らせる北さんが、純粋にすごいと思った。
おかんでも俺らを黙らせるのには苦労するのに。
「侑も」
「…はい」
急に名前を呼ばれて背筋がぴき、と固まる。
あぁ、これは黙るわ。納得。
「連絡くらいはせなあかんよ」
「はい…」
「なんか事情があるんやろうから深くは訊かへんけど、家族にはちゃんと話すんやで」
「はい」
「もう休憩終わるからさっさとアップして、終わったら参加せえ」
ほら行くで、と治を引っ張って離れていく。
はい、ありがとうございます。
心の中で、深く北さんに頭を下げた。
俺は一生、この人には勝てないんやろなと思う。
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お久しぶりです、えのきのこです。
テストが無事(?)終わりました…(・・;)
ということで!
これからどんどん更新していきたいと思います!
これからもよろしくお願いします(._.)
6/8 えのきのこ
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作者名:えのきのこ | 作成日時:2019年5月21日 19時