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少し緊張した様子で華ちゃんに話しかけていたのは、
「オレ…先週昇降口で会って挨拶したんだけど、覚えてないかな?」
ケータ君だった。
「…覚えてないです。というか、なんで私がいちいちあなたのことなんか覚えてないといけないんですか」
ありゃ…。
「いや、覚えてないなら覚えてないでいいんだけど…。じゃあ、改めて、オレ、天野ケータっていうんだ。よろしくね」
「ふーん…。で?」
「え?」
「だから何なの」
「いや、それだけ…」
「あっそ」
見ているこちらがハラハラする。
自分の机に戻っていったケータ君をちらりと見ると、あまり傷ついてはいなそうだけど、
横にいたウィスパーさんやジバニャンが少し怒っていた。
そのやりとりを見ていたクラスの子たちがひそひそと話す。
「何あの子…態度悪くない?」
「あれじゃ友だちできないよ」
ど、どうしよう…。クラスの雰囲気が良くない。
華ちゃん、何か怒ってるのかな…。
嫌なことがあったとか?
でもそうだとしても…人に当たるのは、良くないよね。
担任の先生に相談してみよう。
「うーん…。それは困りましたね…」
職員室で私の話を聞いた担任の先生も一緒に悩んでくれる。
「前の学校で、何かあったんですかね?」
私がそういうと、話の一部始終を聞いていたらしい理科の先生が言った。
「それなら、A先生が家庭訪問してあげたらどうですか?」
「え?私が?担任の先生じゃなくてですか?」
「女の子なら、同じ女性の方が話しやすいでしょうし。A先生の性格を考えても、あなたが行った方が良いと思いますよ」
性格ってどういうことだろう…。
話しやすいとか?堅苦しくないとか?
でもそれって「先生」としてはいいことなのだろうか…。
「確かに。いい考えですね。A先生、お願いできませんか?」
担任の先生に言われたら…
「…分かりました。私が行きます!」
断れないよね…。
頑張ろう。
担任の先生に華ちゃんの住所を教えてもらい、放課後に訪ねることになった。
何か悩みでもあるのかな…華ちゃん。
私が力になれたらいいな。
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明石美音子 - 海葉さん» 吹きました!?楽しんでもらえて何よりです!嬉しいです!(笑)華ちゃんと宗像ちゃん、今後のふたりの関係に注目ですね!宗像ちゃん相変わらずですね〜。 (2017年10月7日 17時) (レス) id: e8c22bb6a4 (このIDを非表示/違反報告)
海葉(プロフ) - ちょww理科の先生面白すぎです!吹きました(笑)華ちゃんもクラスに慣れてくれると良いですねぇ〜。宗像ちゃんも流石ですよ! (2017年10月7日 16時) (レス) id: c9a6b087d8 (このIDを非表示/違反報告)
明石美音子 - 海葉さん» ありがとうございます!はい!頑張ります!今後のお話もお楽しみに! (2017年10月4日 20時) (レス) id: e8c22bb6a4 (このIDを非表示/違反報告)
海葉(プロフ) - アンケート締め切りおめでとうございます!次のエンマ大王様のお話もすごく楽しみです♪あ、でも桜色シリーズも楽しみにしてますよ!これからも頑張ってください(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年10月4日 17時) (レス) id: c9a6b087d8 (このIDを非表示/違反報告)
明石美音子 - リミッターさん» 生で見たいですか!?(笑)宗像ちゃんならどんな妖怪さんといても癒されますよ。そんな女の子を目指して書いてる子ですから(笑)お気に召したようで何よりです!(笑) (2017年9月29日 20時) (レス) id: e8c22bb6a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:明石美音子 | 作成日時:2017年7月16日 21時