39 少女下僕 ページ42
椿がAに与えられた自室に戻ると、『Repeated-Nightmare』が机の上に開かれた状態で置いてあった。
あの会話の後も何度か話したが、彼(彼女？)の方からというのはあの日以来だった。
何となく嫌な予感を拭えないまま、椿は本を覗く。
『由々しき事態だ、椿』
「何かあったの？」
『以前私は君に伝えたね。私はこの様な姿だが、全てを見ているし聞いている、と』
「そうだね」
『私が"何"であるか、考えた事はあるかい？』
それに椿はどう答えるべきか迷ったが、正直に答えた。
「……あの子を創った科学者？」
『半分正解だ。現在の、人間でも吸血鬼でもない彼女を創ったのがこの私』
「もう半分は？」
『……二人いる内の一人、彼女の主人の片割れさ』
「片割れ？」
それは椿が本に書き込んだ言葉ではなく、口から零れた言葉だった。
しかし彼(？)は見透かしたような答えを返してきた。否、もしかしたら本当に聞こえているのかもしれない。
『彼女を創った科学者は、私の他に二人。内一人は君もよーく知る人物さ』
「……まさか……」
『しかし今重要なのはそっちじゃない。もう一人の方だ。あいつはずっと彼女の傍にいる』
「それが由々しき事態なの？ 主人が従者と一緒にいるのは普通じゃないか」
『そうだな。だがそんな普通などどうでも良い。問題は、あいつが彼と彼の創った者達を殺したがっているという事だ』
彼の説明は名前の登場しない三人称が多く、椿はそのややこしさに少し苛立った。
「もうちょっと解りやすく」
『……よし、私の片割れがE、君のよく知る人物をSとしよう。EはSがずっと憎かったから、Sが創った者を殺したいと思っていた。ここまでは良いかい？』
「うん」
『だからEは、従者――いや、下僕である彼女を使って殺人……という表現が適切かどうかは不明だが、それをさせようとしている』
「なるほど」
『だから悪い事は言わない。早く逃げるんだ、椿。自分と
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月下(プロフ) - サラさん» いつもご愛読ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいですﾟ+.ヽ(≧▽≦)ﾉ.+ﾟ次回作も楽しんで下さいね！ (2017年6月26日 0時) (
レス) id: 2bd8643af1 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - ひとまず第一章完結!って感じですね!!( 〃▽〃)とても面白かったです!月下さんの文章力(と言うのでしょうか？)は凄いです…自分は全くそういうものがないので尊敬します(。･´д`･。)次回作、楽しみにしています! (2017年6月25日 10時) (レス) id: 51caed5aa2 (このIDを非表示/違反報告)
月下(プロフ) - もふもふ尻尾の白狐さん» いつもご愛読ありがとうございます！そう言って頂けて光栄です(o≧▽≦)ﾉこれからも頑張ります！ (2017年5月24日 1時) (レス) id: 2bd8643af1 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ尻尾の白狐(プロフ) - EveR∞LastinG∞NighT…！ぴったりですね！いつも楽しく読まさせて頂いております！ (2017年5月24日 0時) (レス) id: ff42cbd255 (このIDを非表示/違反報告)
月下(プロフ) - 筍×胡椒=Cherさん» ありがとうございます！とても光栄です！頑張ります(*≧∇≦)ﾉ (2017年5月17日 23時) (レス) id: 2bd8643af1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月下 | 作成日時：2017年4月7日 15時
