可憐な花が咲くまで…【我ら空木高校栄進クラス!!】【合作企画】

二次元にいそうな姉　(麗鳴) ページ6

「...そういえば、北条さん。電話で行ってた景虎さんって...?」


「景虎は私の自慢の弟です!!」


「弟さんなのね...話からするに妹さんかと思った。」


「あはは...
景虎だったら身長も低いし華奢だし女の子っぽいので頼めば女装してくれるかな〜って思って...却下されちゃいましたけど...」


早輝は頬をかきながら少し残念そうに微笑むだけだったが、華藻は驚きのあまり固まることしかできなかった。そりゃそうだろ、と早輝に指摘できたらどれほど良かったか。

確かに姉が弟に女装をさせるなんて話は漫画やアニメなんかでは何度か見たことがある。
けれど現実にそれをする姉がいるとは思わなかった。
しかも目の前にいるこの同級生が。

そんな事を考える華藻を横に、早輝は景虎語りを始める。

素直でいじらしいとか反抗期でも兄姉のお願いや妹のおねだりには弱いだとか。
本当に可愛らしい容姿をしていて、女の自分でも時々羨ましくなるだとか。

華藻は弟を女装させ、パーティーのパートナーとして自身の恋人に紹介する姉が目の前にいる事実で早輝が話す景虎の話など聞こえていなかった。


「景虎も可愛いんですけど...お兄様達もドレスを着て、所作とかメイクとか整えたら美人さんだと思うんですよね〜...」


華藻は「ここは夢」と危うく唱えだすところだった。
早輝は弟では飽き足らず、兄まで女装させようとするのか。


「北条さん、いくらなんでもお兄さんは可哀想...というか弟さんも可哀想だよ...」


「よく言われます!!でも、お兄様や景虎の写真見たらきっと分かりますって!!」


早輝はいそいそとカードフォンを取り出して兄達の写真を華藻に見せる。


「...弟さんは案外いけるかも...というか髪伸ばしたらそのままでも気付かれなさそうだけど...」


「ですよね!!」


華藻は早輝の弟の画像を見て何となく早輝の気持ちを理解できてしまったような気がして少し悲しくなったのであった。


「でもやっぱりお兄さん達は無理があるんじゃない?」


「なんでですか〜!!いけますって!!」


人の美的感覚を否定することはあまりしたくないが、逆に何を見たら高身長且つ鍛えられたこの人達の女装が行けると思ったんだ、と華藻は却って冷静になって結論付けた。

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