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ご飯も食べて、お風呂も入って、リビングのソファーでのんびりしていた。
というか、何をすればいいのかわからず、ぼーっとしていた。
カラスの家にいる時は、本棚から漫画を拝借して読んだり、日本から新しいゲームを送ってもらったからと、一緒にやったり、YouTubeで最近日本で流行ってる歌を聞いたり。
気づけば日を跨いでるなんてことはしょっちゅうなんだけど、まこちゃんの家にはゲームも漫画も見当たらない。
《何?》
「……」
《おーい?》
「……暇。」
《は?》
お風呂にいったマコちゃん。
好きに使っていいからと言われたけど、何をどうすればいいのかさっぱり。
今日は見たいテレビも無いし。
てことで、とりあえずカラスに電話してみた。
が、何言ってんだこいつ。みていな、バカにしたような笑いが聞こえる。
《暇って。長谷部さんは?》
「お風呂。」
《ミスチルのDVDあるだろ?》
「もう何回も見たもん。」
《んー…。あ、あれは?ほら、お前いっつも見てるやつ。》
「曜日が違う。」
《携帯でゲームしとけ。》
「ゲーム入れて無い。」
《口答えばっかかよ。》
「口答えじゃないもん。事実だもん。」
《あー、はいはい。》
チッ、めんどくせぇな
なんて声がかすかに聞こえたような気がしたけど、暇潰しの相手がいなくなるのは困るから、聞こえなかったふりをしよう。
「ねぇ、」
《ん?》
「カラスの…お母さんは、どんな人なの?」
《……何で?》
「今日、マコちゃんお母さんから電話かかってきてたから。きっと、心配なんだろうなって。」
《ふーん。俺の母さんは、》
話を聞く前から、なんとなくわかっていた。
カラスは、凄く愛されて、大事に育てられてきたんだろうなって。
誰にでも平等で、こんなめちゃくちゃな性格の私の相手もしてくれる。
そんな人、今までは居なかった。
《お前は?》
「私?」
《何か覚えて無いの?》
「………」
《…ごめん、何でも》
「ママは…、ママは、優しかった気がする。もう顔は覚えて無いけど、あの時も、優しかった気がする。」
もう遠い昔の記憶だけど、顔は本当に覚えて無いけれど、雰囲気はなんとなく覚えてる。
優しくて、いつも笑ってたような…。
”迎えに来るからね”
そう言って私の前から消えて、もう直ぐ20年になるけれど。
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Elua(プロフ) - すんさん» すんさん、初めまして!次章は少しずつ……ですが、辛い場面もあるかもしれません…。次もお楽しみ頂けるように、頑張ります! (2015年5月26日 10時) (レス) id: 8fdd172357 (このIDを非表示/違反報告)
Elua(プロフ) - 澪さん» 口がポカーンとなる衝撃でした。この呼び名、お互いに変わる日はくるんですかね?眠れなくて次章作成しちゃったので、宜しければご覧ください。 (2015年5月26日 9時) (レス) id: 8fdd172357 (このIDを非表示/違反報告)
Elua(プロフ) - はやさん» いえいえとんでもない!カラス内田(芸名?笑)、包容力を兼ね備えてるのでしょうか?実は、言いたい放題言い合えるだけで…(笑) (2015年5月26日 9時) (レス) id: 8fdd172357 (このIDを非表示/違反報告)
Elua(プロフ) - miiiruさん» 正面衝突!?大丈夫ですか?私は、発作でも起きたかと思うほど心臓がバクバクしておりました。今もちょろっと(笑)内田さんがここから先、多く笑って下さることを祈ります。 (2015年5月26日 9時) (レス) id: 8fdd172357 (このIDを非表示/違反報告)
Elua(プロフ) - agnellaさん» そうですね。優しく見守ってきた長谷部さん。思わぬ泥棒?の出現ですね。あれは、忘れもしません。小学校の頃の林間学校でカラスがカレーのルーの箱を持って飛んでいき……(笑) (2015年5月26日 9時) (レス) id: 8fdd172357 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Elua | 作成日時:2015年3月19日 23時