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カラスが連れて来てくれた店は、私が働いているお店の雰囲気に何処か似ている気がした。
店内にあるテーブルや椅子は全て、木で出来ているもので揃えられていて、来店を知らせる鈴が扉につけられているのも、うちのお店と同じ。
おじさんたちが遊ぶ用になのか、古いスロットマシーンが店の端っこに置いてあるのも似ている。
奈「お待たせしました。」
「日本食だ。」
奈「内田君はいつも、うちで日本食を食べるの。」
誠「メニューに載ってないですよね?」
『内田スペシャル。いただきます。』
奈「です。どうぞ。」
今日は、日本食が食べれないんだと思っていたから嬉しい。
私も日本食を作るけれど、私が作っている日本食は、本当に日本で作られている味なのだろか?と思うほど、自信がない。
実際、カラスの所で食べた絢子さんが作ってくれた煮物と、私が作った煮物は全然味が違っていて、断然絢子さんの方が美味しかったのだから。
ネットで調べて色々作ってみるけれど、その見本の味すら食べたことがないのだから、自分が作っているものが正解なのかわからない。
誠「何だか、Aちゃんの味付けと似ているね。」
『それ、俺も思った。』
「え?」
一口食べてみたけれど、奈央さんが出してくれた生姜焼きは、私が作るのより断然美味しいと思うし、これが自分が作ってるのと似ているなんて全くもって思えない。
「ん?あれ?奈央さん?」
奈「どうかしました?」
「奈央さん…。て、もしかして、あの奈央さんですか!?」
奈「えっと…、どの奈央かな?」
『お前、何言ってんの?』
もしかして、もしかして…!
淡い期待を抱きつつ、携帯を取り出して目的のページを開ける。
「これ!」
奈「やだ、恥ずかしい!」
誠「何々?」
「これ、奈央さんのブログ!たまに日本食のレシピとか載っていて、私参考にしてるの!」
誠「ああ、なるほど。だから、似てるって感じるんだね。」
『どれ?俺も見たい。』
奈「見なくていいですよ〜…。お恥ずかしい。」
「私、奈央さんのブログ更新、いつも楽しみにしてるんです!料理も参考にさせてもらっていて。お会いできるなんて、嬉しいです!」
奈「ありがとうございます。」
憧れてた奈央さんに、まさかこんな所で会えるなんて!
日本に住んでおられると思っていたから、本当に嬉しい!
カラス、Good job!!
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Elua(プロフ) - すんさん» すんさん、初めまして!次章は少しずつ……ですが、辛い場面もあるかもしれません…。次もお楽しみ頂けるように、頑張ります! (2015年5月26日 10時) (レス) id: 8fdd172357 (このIDを非表示/違反報告)
Elua(プロフ) - 澪さん» 口がポカーンとなる衝撃でした。この呼び名、お互いに変わる日はくるんですかね?眠れなくて次章作成しちゃったので、宜しければご覧ください。 (2015年5月26日 9時) (レス) id: 8fdd172357 (このIDを非表示/違反報告)
Elua(プロフ) - はやさん» いえいえとんでもない!カラス内田(芸名?笑)、包容力を兼ね備えてるのでしょうか?実は、言いたい放題言い合えるだけで…(笑) (2015年5月26日 9時) (レス) id: 8fdd172357 (このIDを非表示/違反報告)
Elua(プロフ) - miiiruさん» 正面衝突!?大丈夫ですか?私は、発作でも起きたかと思うほど心臓がバクバクしておりました。今もちょろっと(笑)内田さんがここから先、多く笑って下さることを祈ります。 (2015年5月26日 9時) (レス) id: 8fdd172357 (このIDを非表示/違反報告)
Elua(プロフ) - agnellaさん» そうですね。優しく見守ってきた長谷部さん。思わぬ泥棒?の出現ですね。あれは、忘れもしません。小学校の頃の林間学校でカラスがカレーのルーの箱を持って飛んでいき……(笑) (2015年5月26日 9時) (レス) id: 8fdd172357 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Elua | 作成日時:2015年3月19日 23時