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うちに来るまで不機嫌だったはずの山田は、最初長谷部さんを見たときは多少動揺したものの、やっぱり会えて嬉しいのか、今はすっげぇ嬉しそうに話している。
「でね、そのおじさんがね、」
誠「また喧嘩したんだ。俺が居た時もよく喧嘩してたもんね。」
「そうなの!マスターも呆れてたよ。」
俺にはわからない、地元トークドイツver.が繰り広げられているから、俺はひたすらパソコンで動画を見たり、チラッと日本のニュースを見たりしていた。
でも、それも18時頃になるとそろそろ限界だ。
『腹減ったんだけど。』
誠「あぁ、もうこんな時間か。Aちゃんと話してると、時間があっという間に過ぎてるね。」
「ね。」
バカップルかよ、と突っ込みたくなるが、無駄な労力だと思いスルーする。
心配だからと言ってうちに来た長谷部さんだけど、飛行機でさっさとヴォルフスブルクまで飛べばいいのに。
長谷部さんと山田の仲なら、万が一があってもそれは間違いなんかじゃなくて、当然とでも言えることだろうしね。
.
「何処に向かってるの?」
『店。』
「こんな住宅地の中にあるの?」
誠「ウッチーの秘密のお店なんだって。」
「ふーん。」
後部座席に座る二人は、飽きもせずに地元トークドイツver.をまだ繰り広げていた。
よくもまぁ、そんなに話すことがある。
地元に帰っても俺は聞く係で、自分がそんなに話すことは無い。
タクシーの運転手になった気分で、目的の場所へと車を走らせていた。
「普通の家?」
『見た目はな。中は、ちゃんとしたお店。』
最近ちょっと立て付けが悪くなってきている扉をグッと引っ張って開ければ、カランコロンと扉につけられてる鈴の音が鳴る。
奈「あら、内田君。いらっしゃい。」
『こんばんは、奈央さん。三人なんだけど、いいっすか?』
奈「もちろん!どうぞ。」
知る人ぞ知るこの店は、人はまばらだった。
昼間に来た時に見たことのあるおじさんたちが、今はビールを飲んでサッカーについて熱く語っていたり、何処からか持ってきたのか、チェスをしていたり。
落ち着いた雰囲気のこのお店は、山田が働くあっちの店に、どこか雰囲気が似ている気がすると俺は思っていた。
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Elua(プロフ) - すんさん» すんさん、初めまして!次章は少しずつ……ですが、辛い場面もあるかもしれません…。次もお楽しみ頂けるように、頑張ります! (2015年5月26日 10時) (レス) id: 8fdd172357 (このIDを非表示/違反報告)
Elua(プロフ) - 澪さん» 口がポカーンとなる衝撃でした。この呼び名、お互いに変わる日はくるんですかね?眠れなくて次章作成しちゃったので、宜しければご覧ください。 (2015年5月26日 9時) (レス) id: 8fdd172357 (このIDを非表示/違反報告)
Elua(プロフ) - はやさん» いえいえとんでもない!カラス内田(芸名?笑)、包容力を兼ね備えてるのでしょうか?実は、言いたい放題言い合えるだけで…(笑) (2015年5月26日 9時) (レス) id: 8fdd172357 (このIDを非表示/違反報告)
Elua(プロフ) - miiiruさん» 正面衝突!?大丈夫ですか?私は、発作でも起きたかと思うほど心臓がバクバクしておりました。今もちょろっと(笑)内田さんがここから先、多く笑って下さることを祈ります。 (2015年5月26日 9時) (レス) id: 8fdd172357 (このIDを非表示/違反報告)
Elua(プロフ) - agnellaさん» そうですね。優しく見守ってきた長谷部さん。思わぬ泥棒?の出現ですね。あれは、忘れもしません。小学校の頃の林間学校でカラスがカレーのルーの箱を持って飛んでいき……(笑) (2015年5月26日 9時) (レス) id: 8fdd172357 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Elua | 作成日時:2015年3月19日 23時