心の睨めっこ(11)

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明日は、久しぶりにOFFだ。

その分、今日しっかり追い込んでトレーニングして来たから、身体が疲れていて眠い。






「ここで寝る前にベッド行きなよー。」

『んー…。』






キッチンで明日の朝ごはんの下拵えをしてるであろうAから声が飛んでくる。


毎日ちゃんと飯を作ってくれるA。

1日リハビリで鹿島に居る時は、おにぎりを持たせてくれる。



晩御飯は栄養もしっかり考えてくれてバッチリだし、唐揚げも出してくれるし、ドイツにいた時よりも和食のレパートリーが多いし最高。


良い嫁を貰ったと思う。








「篤人！寝るならベッド！！」

『…うい。』







1回で言う事をきかないと、すぐに怒ってくるとこが難点だ。

て言えば、絶対に俺が悪いって言われるだろうから、2回目に言われた時点で聞くようにはしている。



1人でこの周辺は散策したらしいし、鹿島神宮を気に入って何回も行ってるみたいだけど、ここから少し離れたとことか東京には全然行ってない。

ゆっくり時間が出来たら、鎌倉とかにも連れてってやりたいと思っていたし、前に清水寺や金閣寺を見てみたいって行ってたから、京都にも連れてってやりたい。



なんて、疲れた身体で考えてたら、何故か目が覚めた。







「起きてる。」

『なんか目が覚めた。』

「明日OFFだからって、夜更かしのしすぎは良くないよ？」

『わかってる。お前明日、何するの？』

「朝起きて、ご飯作って、洗濯して、掃除して、お昼作って、ちょっとのんびりして、洗濯物畳んで、」

『いつも通り家事全般ね。どこか行く？』

「久しぶりのお休みでしょ？家でゆっくりしないでいいの？」






"サポートの為に日本に来たから"

それが、Aの口癖のようになっている。


確かに、サポートして欲しいって言って呼んだけど、少しぐらい我儘を言ってくれていい。

あそこに行きたいとか、あれが欲しいとか。



最近Aがこれが欲しいって言ったのは、スーパーに着いてった時に " じゃがりこの売ってた味全部買いたい " だった。

子供じゃねぇんだから…って思ったけど、各2個ずつカゴに入れて買ってやったら、すっごい喜んでた。


そういうレベルで喜んじゃううちの奥さん。







『たまにはAにもお休みでご褒美をね。どこかある？』







そう言った途端、目がキランっと輝いて、何やら携帯を触り始めた。

やっぱりあったんだな、行きたいとこ。

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