心の睨めっこ(11)

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昨日言われてから、鹿島のチームサイトを引っ張り出して、選手の名前を必死に覚えようとしたんだけど、全然ダメ。

篤人から聞いてる、小笠原満男選手と遠藤康選手はわかるけど…。



あ、あと、ゴリゴリの2人は、金崎夢生選手と鈴木優磨選手って事は覚えた。







満「お前ら煩いから、もう帰れ。」

夢「えー。嫌っすよー。だって次、いつ連れて来てくれるかわからないっしょ？」

『お前らの前には絶対連れてこない。』

優「じゃあ、絶対帰りません！！！」







練習後なのに元気だなー。

若いから？


篤人なんて最近、リハビリの負荷を上げてるとかで、家に帰って来たら寝転がって動かないのに。







満「日本はどう？慣れた？」

「何とかやってる感じです。」

康「うっちー、家事出来ないからねー。大変っしょ？」

「家事は出来ないですけど、ゴミ出しのルールとか解説してくれるので、それだけでも助かります。」

満「解説じゃなくて、お前が分別して出せよ。」

『痛っ。蹴る事無いじゃん。』

満「甘やかさないで、やらせていいからね。」

康「そうそう！益々怠け者になるしね〜。」

「でもそれじゃあ、私の仕事が無くなっちゃいます。ドイツに居た時は、私も働いてましたけど、今は何もしてないですし。」

『だ、そうでーす。』

満「甘えてんな！[

『痛っ！だから、蹴る事ないっしょ！！』







先輩と戯れてる篤人は、嬉しそう。

こんな風に笑ってるの、ドイツでは長く見てなかったから、嬉しいな〜。







優「笑ったら可愛い！篤人さんいいな〜。」

『笑っちゃダメ。』

「何でよ。」

夢「アパート借りてるんすか？どの辺っすか〜？」

「えーっと、んぐっ、」

『お前らには絶対に教えない。』

康「うっちー、Aさんの扱い雑すぎだから。」







借りてる場所だし、そこに一生住む訳じゃないし、チームメイトなんだから教えてもいいだろうと思ったのに、教えちゃダメらしい。

住所覚えてないから、近くの建物とか言えばわかるかな？と思って言おうとしたら、手で口を塞がれた。







『ま、そんな感じで嫁なので、よろしくお願いします。』

「お願いします。」

康「今度、うちの家族と食事しようね！それならいいだろ？」

『それなら、な。お前らは参加不可。』

夢「ケチー！」

優「Aさん！美味しいのご馳走します！」

『絶対ダメだからな？』

「Alles klar.(わかった)」







駐車場までついて来た2人に、篤人はうんざり顔だった。

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