心の睨めっこ(11)

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ー「おや？ウシーじゃないか！」







声をかけられて見てみれば、うちのチームのジャージを着ているおっちゃん。

ファンショップで売ってる物だし、シャルカーか。







ー「調子はどうだ？」

『ぼちぼち。』

ー「期待しているぞ。ウシーは、まだまだ出来るはずだもんな。」

『頑張るよ。』







たぶん、時間にして1分かかったか、かからなかったぐらい。








『……嘘だろ。』







エマちゃんが消えた。



右を見ても左を見てもエマちゃんの姿は無くて、お菓子コーナーから出て見てみるけど、小さな金髪の女の子は見当たらない。




ヤバい、マジでヤバい。



Aも預かってる身だから、もしエマちゃんに何かあれば、Aの信頼問題にもなり兼ねない。


だーーーーっ！

小さい子って、何でこう大人の一瞬の隙を突くのが上手いわけ！？







≪篤人？どしたの？≫

『悪い！シャルカーに話しかけられた一瞬の隙にエマが消えた！』

≪……≫







無言で切られた電話。

Aが怒ってるとか、そんなのどうでもよくて、iPhoneをポケットに閉まってスーパー内を走り回った。



お菓子コーナーにも戻ったけどいない。


Aを追いかけてお菓子コーナーを出たんだろう…。

どこに行ったのかわからないから、とりあえずぐるぐる回ればAに会えると思ったのだろう。





ふと、スーパーから出る出口が目に止まった。

色んなお店が入ってる中のスーパーだから、あの出口から出ても外に繋がってる訳ではない。



……いや、まさかな…。





そう思いつつも、スーパー内はAも探してるだろうし、見つかれば電話してくれるだろうと思って、スーパーを出た。







『これぐらいの背の金髪の女の子見ませんでした？』

ー「見てないな。」



『すみません、これぐらいの金髪の女の子探してるんですけど、』

ー「見てないわね。」



『あの、これぐらいの、』








道行く人何人かに声をかけて聞いてみても、エマちゃんらしいし子は見ていない、と。



やっぱりスーパーの中からは出てないか…。


と思って、スーパーの方に戻ろうとした時、








『エマ！』







この建物の係りであろう人に、どこかに連れて行かれそうなエマちゃんの姿が遠くに見えた。

どこに連れてかれるかわからない恐怖なのか、小さな身体で行きたくない！と抵抗しているエマちゃん。







『エマ！！！』







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