心の睨めっこ(11)

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愛しい嫁と、金髪の可愛い女の子が手を繋いで前を歩いてる。


数年後には見れるかもしれない光景に頬が緩み、こっそりと写真に収める。

その時横にいるのは、黒髪の子だろうけど。




……俺も手繋ぎたいけど、絶対繋いでくれないだろうな。







「エマは、こういうスーパー来たことある？」








Aの問いかけに首を横に振るエマちゃん。








「じゃあ、ぐるっと回って見てみよっか。」








え、マジで…？

パッと買って、パッと帰るのじゃダメ？


と言いたいけど、Aに手を引かれるエマちゃんがキョロキョロ見渡してるから、その言葉はグッと飲み込んだ。








「エマの好きなお菓子、1個だけ買ってあげる。先生達にもみんなにも内緒だよ？」

エ「……うん。」

「あそこのアイス美味しいんだよ。あとで私と半分こしよっか？」

エ「…うん。」








エマちゃんって、返事以外の言葉喋れんの？

もしかして、喋れないとか？








エ「……あれ、何？」

「あれ？あれはねー、」







あ、喋れるんだ。

口数少ないタイプなのかな？



気になるものがあればAに聞き、いつもならサラッと流す場所もしっかり見ていく。



子供が生まれて成長したら、こうやって過ごすのかな。

男の子だったら、公園でボール蹴ったりしたいなー。
女の子だったら…、今日みたいにクッキー作って、それ食べるのも、やっぱりいいな。







「お菓子コーナー到着〜！好きなの選んでいいよ。でも、1個だけだからね？」







コクン、と頷いたエマちゃんは、それまでずーっと握っていたAの手を離して、気になるお菓子を手に取っては戻して、をし始めた。







「あー、やっぱり入れ忘れてる。」

『何？』

「スパイス、1個切らしてて。」

『俺見てわかる？取ってくるけど。』

「たぶん、わからない。パッと取ってくるから、エマ見ててくれる？」

『ん。』








お菓子売り場を小走りに出て行ったAに気付かずに、お菓子選びに夢中になってるエマちゃん。


黙って観察してると、手に取るものはチョコレート系のお菓子ばかりで、チョコが好きなのかなーって思ったり。

こっそり俺が1個買ってあげたら、仲良くなれるかな？



……バレたらAにすっげぇ怒られそうだし、やめとこ。

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