心の睨めっこ(11)

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1日だけ面倒を見る事になったエマ。

初めて会った時、みんなが楽しそうに遊んでる庭の端っこで、1人ポツンと立ってたエマ。


話しかけても無反応。


"私もここで育ったんだよ？"と言えば、口をきいてくれる様になった。

エマの青い目も金髪の髪も綺麗だねって話して、エマは何が好きなの？て話して。


昨日帰る時に、遠くから見てたエマが悲しそうな顔をしてるなって思ってたけど、まさか今朝、エマが私も呼んで大泣きしてるなんて電話が来るなんて思ってなくて。







「スーパー行かなきゃ。」

『車出す？』

「お願いしてもいい？」

『なう？』

「ううん。もう少し後でいいよ。」

『ん。ちょい昼寝する。』








ソファーに横になった篤人をチラッと見るエマ。





ーー



エ「シャルケのウッシー？知ってる。」

「私の旦那さんなんだよ。凄く大好きな人。」

エ「……家にいるの？」

「昼まで練習だから、まだ帰ってないかな。とっても優しい人だから、エマも絶対仲良くなれるよ。」

エ「……うん。」



ーー





子供好きの篤人だし、すぐに仲良くなれるかなって思ってたら、エマが凄い警戒心を抱いている。


篤人に近づかないし、口もきかない。

自己紹介すら出来ない。



篤人からは、仲良くなりたいオーラが出てるんだけど、エマが警戒してるから、無理矢理踏み込もうとしないで、エマの出方を伺っている。








「そんなに気になるなら、話しかけたらいいのに。」

エ「……いい。」

「篤人は優しいから、エマが話しかけたら、ちゃんと答えてくれるよ？」

エ「……いい。」







すっかり夢の世界に入ってる篤人をじーーーっと見ているエマ。

友達を作ったりするのが苦手なエマ。



たぶん、人見知り。








「篤人が起きたら、スーパーに買い物に行こうね。何食べたい？エマの好きな物、作ってあげる。」

エ「……日本食、食べてみたい。」

「わかった。じゃあ、夜は日本食にしようね。」









篤人が起きるまで、エマとおしゃべりしたり、クッキーを作ったりして過ごした。

クッキーが焼きあがる頃、匂いに誘われたのか、篤人が起きてきた。








『おは〜……。何作ってんの？』

「クッキーだよ。」








焼きあがったのを持ったまま固まるエマ。


エマが持ってるトレーの上には、綺麗な形と少し歪な形が。

どっちが作ったのかは一目瞭然なそれを、篤人はヒョイッと摘んだ。

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