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とりあえず、腹が減ってるから昼飯をお願いして、アイランドキッチンのカウンターの前に1脚だけ置いてる椅子に座った。
『で?』
「昨日行ってたじゃん?そこでエマと仲良くなったんだけど、今朝電話が来て、エマが泣いて私を呼んでるって。」
『…あそこにいるって事は、そういう事だよな?』
「エマは、最初は警察が保護したって。それから、あそこに。私よりも酷いし、傷ついてると思う。エマは、泣くけど笑った事はない子なんだって。」
ソファーで院から持ってきたであろう絵本を読んでるエマちゃん。
泣き叫んでAの事をずっと呼んでるって電話があって、幸いな事に今日は休みだったAは、すぐに向かったらしい。
Aが現れるなり、Aに抱き着いて大泣きしたエマちゃん。
特別に外泊許可を出してもらって、連れて帰ってきたらしい。
「何も話してくれないから、どうして私を呼んだのかわからないの。」
『そうなの?』
「連れて帰ってきたら落ち着いてるし、様子見てるんだけど、さっぱり。」
『5歳か…。いつから?』
「私と同じ、3歳から。」
『そっか…。』
「ごめんね。疲れてるのに。」
『いや、大丈夫。日本語はー…、』
「わからないよ。エマがわかるのは、ドイツ語だけ。」
子供を捨てる親って何なの?
色んな事情があるにしても、捨てちゃダメっしょ。
さっきの感じを見ると、俺はかなり警戒されてるから、仲良く遊ぼうにも…。
とりあえず、もう一回自己紹介するか?
『エマ?』
俺の声に絵本から顔を上げたエマちゃん。
絵本を横に置いて、ソファーからぴょんっと降りて、俺の横をすり抜けてダッシュ。
「わっ!エマ!危ないよ!」
『あー、ごめん。俺のせい。』
「え?」
『話しかけたら、そっちに…。』
「エマ、少し離れて?」
あれか?
お父さんに虐待とかされてて、男の人がダメ…とか?
だから俺、怖がられてたりする?
俺、結構子供受けいいんだけどなー…。
俺も子供好きだし。
エ「……A、」
「何?」
消えてしまいそうな細い声。
でも、すっげぇ可愛い声。
エ「お水頂戴。」
「オレンジジュースもあるよ?」
エ「オレンジ。」
俺の向かいに座ったエマちゃんは、やっぱり俺と目を合わせてくれない。
俺のガラスコップにもオレンジジュースが入ってて、同じだよって見せても無反応。
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Elua(プロフ) - さっちゃんさん» ありがとうございます!篤人とエマちゃんのデート編を番外編で作成しましたので、良かったら見てみて下さい* (2018年11月6日 1時) (レス) id: 8de7270587 (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん(プロフ) - 一気に読みました!もう泣けちゃいました。゚(゚´Д`゚)゚。大好きな作品です!エマちゃん再登場願います(笑)もちろん山田ちゃんのお腹にもやってくること楽しみです* (2018年10月27日 6時) (レス) id: 564178b81b (このIDを非表示/違反報告)
Elua(プロフ) - みのりんさん» 山田ちゃん強いですから、きっとうまく内田さんにやらせるんでしょうね〜(笑) (2018年10月24日 9時) (レス) id: 8de7270587 (このIDを非表示/違反報告)
みのりん(プロフ) - 子供生まれたら大変そうだw 見えない育児はしないイ クメンって多いようですね。私はダラだから、山田ちゃん尊敬します。がんばれ山田ちゃん! (2018年10月24日 2時) (レス) id: c86b955507 (このIDを非表示/違反報告)
Elua(プロフ) - みのりんさん» そうなんですね!ww パパとしては最高みたいですよ!よく公園で娘ちゃんと遊んでるの見るって鹿サポの知り合いから聞きました(笑) (2018年10月21日 11時) (レス) id: 8de7270587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Elua | 作成日時:2018年8月9日 23時