心の睨めっこ(11)

19 ページ19

麻「この寝方、懐かしい！」

『うるせぇな。早く寝ろよ。』







リビングに3人川の字。


いつかも、こんな感じになって寝た。




あー、あれ、あの時じゃん。

Aと付き合う事になった、あの時じゃん。



Aに当たり散らして、実は最近のご飯は全部…の下から、麻也に運転させてAの家に行って謝って、うっかり口からポロリと出ちゃったあの時じゃん。








麻「相変わらず丸まってる猫みたいに寝てるんだ。」

『最初だけ。朝起きたら普通。』

麻「ウッチーに引っ付いてたり？」

『うざっ。マジで、早く寝ろ。』








ニヤニヤしやがって…。



朝起きたら引っ付かれてる事もあるし、離れて普通に寝てる事もあるし。

その日によって色々。








麻「ウッチーが昼寝してる時にさ、Aちゃんが、ウッチーは鹿島に帰りたいって思ってるけど、自分がいるから踏み切らないのかな？て。」

『は？関係ないし。』

麻「ちゃんと言っといた。……ぶっちゃけさ。どうなの？」

『……今はまだ、日本にって気持ちは無い。シャルケに戻って、もう一度やる事しか、今は考えてない。』

麻「…そっか。」

『まぁー……、あれだよ、あれ。嫁がね…、色々頑張ってくれてるんでね。俺も頑張らなきゃダメっしょ。』

麻「だな。愛しい愛しい、Aちゃんの為に。」

『…マジで、今すぐ寝ないと、追い出す。』









Aは、俺が頑張ってるからって言うけど、俺からすれば、お前の方が頑張ってんだよ。


頑張ってくれてるのに、俺が楽な道を選んじゃダメっしょ。



誰かさんの好きなフレーズを借りれば、

" 高ければ高い壁の方が登った時気持ち良いもんな "

だしね。









.









「ごめんね？こんなのしか用意出来なくて。」

麻「ぜんっぜん！Aちゃんのおにぎり久しぶりで嬉しいよ。移動中に食べさせてもらいます。」

「本当に、遠いのに、ありがとう。」

麻「次は、向こうで会おうね。」

「うん！」

『じゃ、いってきー。』

麻「バイバイ！」

「バイバイ。いってらっしゃい。」







これまた、いつかの時と同じ様に、移動中に食べれる様にっておにぎりを渡したA。


車に乗ってから「あの時と同じだな。」と、麻也がニヤニヤするから、デコピンかましてやった。



ってゆうか、覚えてなくていいんだよ。

俺だけが覚えてればいいの。



恥ずかしいから、忘れてくれ。

20 ＊→←18

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す