心の睨めっこ(11)

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いつかちゃんと話さないといけないだろうなって思ってた。

でも、まだ結婚したばかりだから、もっと先かなって思ってたけど、篤人は今すぐにでも欲しいのかな…？



篤人は、サッカー選手にしたら、結婚したの遅い方だもんね。

みんな20代前半で結婚して、子供も出来てるみたいだし。







「篤人は、今すぐにでも欲しいの？」

『今すぐってゆうか…。』

「今すぐって思っても、生まれるならほぼ1年後だけど。」

『うん、わかってる。てゆうか、んー……。Aはさ、子供はいつぐらいに欲しいとかあるのかなって思ってて…。もしくは、いらない、とか。』








言葉にしてなかったけど、実は密かに私も考えていた。


篤人は、子供はいつぐらいに欲しいのかなって。

いつ、そういう話をしたらいいのかなって。









「そもそも、ね。私、自分がまさか結婚するなんて思ってなかったのね？」

『うん。』

「それが、結婚しちゃったわけですよ。絶対に出来ないって思ってた、大切な人が出来たわけですよ。」

『うん。』

「人間って欲深い生き物じゃん？」

『んー、かな？』

「鹿島でスーパー行った時とか、instaで色々徘徊してる時とかに見かけるの。親子が手を繋いで歩いてるとことか、素敵な親子写真とか。」

『うん。』

「いいなーって、思うようになってた。」







気付いたら、想像してる時がある。


篤人が、私たちの子供を抱っこしてる姿とか、家でこうやって寝てそうだなって。

篤人は子供が好きらしいから、自分の子供が産まれたら絶対に溺愛して、すーごく可愛がりそうだなって。







「私は、施設で育ったから、親が何処まで何をしてあげればいいのかって事が、想像つかない。そこに不安が無いとは言えない。すっごく不安。それが本音。」

『……そっか。』

「でも、やってみたいって思う。頑張りたいって。篤人と一緒になら、頑張れるって思ってる。」







篤人なら、絶対に助けてくれる。

篤人となら、私も子供と一緒に成長していけると思う。


篤人と一緒に、親になりたいって思う。



勿論、生みました、でもやっぱり私には母親には無理でした、なんて許されないのもわかってる。

親の勝手な気持ちで子供を振り回しちゃいけない。



振り回された子供の姿は、小さい時から見てきた。


その子が、どんなに傷ついて育っていくのかも。







「私も欲しいと思ってるよ。篤人との子供。」







会ってみたい。

篤人と私の子供に。

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