心の睨めっこ

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昼過ぎに永嗣さんも麻也も長谷部さん家に到着し、あの店に向かう。



欧州会と題したこの会だけど、結局集まったのはお馴染みの4人だけ。

まぁ何もないヴォルフスブルクにわざわざ来るなんて、しかも日帰りで来るなんてあり得ないからね。



俺はたまたま明日が夕方からの練習で、夜中遅くに帰っても問題ないから来ただけだし。









誠「Aちゃん。」

「あ、マコちゃん。いらっしゃいませ。」

誠「今日はよろしくね。」

永「こんにちは。」

「永嗣さん！お久しぶりです。」

永「久しぶり。はい、お土産。」

「わ！チョコレートだ！」









あー、そっか。

永嗣さんも会った事あるんだっけ？




軽く挨拶を交わす2人に向ける表情は、俺に向けられるブスッとした表情ではない。




てゆうか、永嗣さんちゃっかりじゃん。
お土産ってなんだよ。


俺だって、ベルキーのチョコは好きなんだけど。
最近、全然くれないじゃん。









「あ…。」

『どーも。』

「…いらっしゃいまー……」

麻「こんにちは。」








やっぱり俺に向けられた表情はムスッとした表情。


だけど、その表情は直ぐに変わった。



俺の頭上に向けられてる視線。
ポカンとした表情。

たぶん、麻也を見て驚いてるんだろう。








「すごーい！」

麻「え？」

「リアリティ満載なお面ですね！何かの罰ゲームですか？」

『ぶっ！』

永「あははは！Aちゃんは本当、言いたい事をストレートに言うね。」

誠「Aちゃん。それはお面なんかじゃなくて、麻也の顔だよ。」









やべー……、ツボった。


いや、まぁね、わからなくないよ？
麻也の顔サイズなんて、滅多に見ないしね。

けど、お面は無いっしょ。


発想力が豊かってゆうか、なんてゆうか。









「ご、ごめんなさい！」

麻「あは、あははは…。いいよ、いいよ。」

「本当、本当にごめんなさい！」

『山田、ナイス。』

「うるさい！鳥の巣！」

麻「ぶっ！ウッチー、鳥の巣って呼ばれてんの？」

『だまれ、お面。』









永嗣さんも長谷部さんもツボったらしく、ヒーヒー言いながら笑っていた。



山田は申し訳なさそうに何回も謝ってたけど、逆に謝られる方が傷つくってこともあるよな。

相手は麻也だし、どうでもいっか。

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